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2025年9月21日 (日)

SEIKO 5 ACTUS の予備機が見つからない理由

02__20250921180601 250111_ 先月入手した[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-7490) 諏訪精工舎製]が思いのほか気に入っていて、仕事場での普段使いではほとんどがこの腕時計になる。こうなると、いつ壊れてもおかしくない素性のものなので予備機をすかさず探していたが、同じものがいっこうに見つからない。

その同じものとは風防ガラスだ。透明度からしてクリスタルガラスの類い(ハードレックス等)だと思うのだが、同年代の[SEIKO 5 ACTUS]と、もしかして25石の製品だから[SEIKO ROAD MATIC]も含めて探してみたが、いずれもガラスの透明感とエッジのデザインが明らかに異なる。

そのような混沌とした日々が経過する中で、販売店のコメントに、「風防ガラス交換済み」というのがあったことを思い出した。確かに、この無傷で美しい風防ガラスが魅力の一つでもあったわけで、そのことを必須条件に代替え品を探していたが、もしかして別機種の交換ガラスが使用されているかもしれないという疑念がわき始めた。

そして、最近になってこの風防ガラスときわめて似通ったものが装着されているセイコー製品をみつけたのだが、それはどうも「グランド・キングセイコー」のようだ。筆者の推測が正しければ、販売店は、劣化した[SEIKO 5 ACTUS]の風防ガラスを交換する際に、同サイズの「グランド・キングセイコー」用のものを装着した可能性が濃厚だ。

もしくは、ある年代においては、[SEIKO 5 ACTUS]と「グランド・キングセイコー」の風防ガラスの共通時期があったのかもしれない。とにかく、このように考えると、これまで一般的な[SEIKO 5 ACTUS]で風防ガラスがカットエッジになったものの予備機が見つからなかったこととつじつまが合う。おそらく、高校生時代に憧れていた[シチズン クリスタルセブン]の風防ガラスを凌ぐ美しさだと思うのだが、当時の世の中にこのような高級風防ガラスがあったことは知るよしもない。

★ 風防ガラスの履歴が少し解明された
250112a_1974 1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]の数ある画像の中に、似通った風防ガラスのものがあった。ベゼルのデザインが洗練された後継機種という雰囲気のようだ。しかし、厳密にはエッジの立ち角がわずかに違う。そして、表面がフラットなのは同じだが、ガラスの厚みが均一の板状ガラスで、内側がえぐれた凹レンズのような反射防止タイプではない。

全体的にガラス加工のコストダウンの意図が見え隠れするが、基本デザインは踏襲されていると思う。そして、ベゼルのかぶり方からすると、風防ガラスの径も若干大きいような気がするが、反射が多い分だけ透明感がわずかに劣るような錯覚を覚える。

言い換えれば「グランド・キングセイコー」特有の斜めから文字版を見る時のガラスの存在を感じさせない透明感が得られていない。これが風防内側の凹レンズ加工の有無によるところだ。右画像の12時付近で表面反射が著しいが、「グランド・キングセイコー」ではこのような反射はほとんど発生しないのは、手元にある[SEIKO 5 ACTUS]でも同じだ。なお、透過光の屈折率とスペクトル分解能は若干違うように見えるので、素材としてのガラスの成分にも違いがある気がする。

そうすると、見た目だけの判断だが[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-7490) 諏訪精工舎製]と「グランド・キングセイコー」の一部は1970年頃のある期間で風防ガラスが共用できるベゼル寸法であった可能性がある。つまり、今回の販売店での風防ガラスの交換では「グランド・キングセイコー」用のものを用いたと考えるといろいろと辻褄が合う。

余談だが、こうなると製品としての予備機を探すとすれば、上の画像にある1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]で妥協するのがもっとも現実的な気がしてきた。ただし、1974年製ということは、筆者が大学3~4年生の頃になるわけで、当時は手巻きのオールドウォッチの名機をいくつも先輩から譲り受けて、国産の汎用品には目も向けなかった頃だ。いささか予備機の趣旨が違ってくるのは事実で複雑な思いでいる。

★ [SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]とは
250113a_1972 [SEIKO 5 ACTUS 25石]は、1970年前後の6106-7490から1974年の6106-8660へ移行してきたモデルであることはわかるが、後半はどうもそのケースは「ロードマチック」との共通性が見え隠れする。

これは製造拠点が諏訪精工舎で同じだからもあるが、ベルト幅が従来の18mmから19mmに変化していることとも合致する。従って、予備機を探すのであれば、本来は「ロードマチック」で探すのが合理的だと思うのだが、これだとますます予備機の意味合いが遠のいてしまう。

つまり、このような製品履歴からすると、1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]を探し出すのは、コストパフォーマンス面では不利で不合理な「ない物ねだり」になる可能性が高い。

というのは、この時期のセイコーファイブは5面・6面カットガラス風防の機種を発売した頃なので、それらの影でロードマチックの安価版という位置付けでは品数がかなり少ないことが予想される。

一方で、右にある第二精工舎(亀戸)[SEIKO LORD MATIC Special 25石(5206-6110)]は、1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]に似たデザインながら、1972年製だということで、これらのことを踏ませて予備機の確保を考えてみようと思う。

・・・つづく(もどる)

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