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2025年10月 8日 (水)

道楽のひと品:1972年製の[SEIKO LORD MATIC Special 5206-6110 第二精工舎(亀戸)]

02__20251006003201 250117_ 1970年製[SEIKO 5 ACTUS]の予備機を探して、先日1974年製の同機種を無事入手できたわけだが、一方で、予備の代替え手段としてもくろんでいた、1972年製の[SEIKO LORD MATIC]も運良く手元にくることになった。

こちらは同じ買うならばより完成度の高い魅力あるものとして気になっていたもので、第二精工舎(亀戸)としては、キングセイコーの下位クラスで、汎用品では名機と謳われた製品になる。

それは「Special」の名が示すように、Beat Rate:28,800bph で、1秒間を8ビードで刻む当時としてはキングセイコー5621系と同じくハイビートになる。風防ガラスも内側を凹面加工した無反射処理が施された高級品が使用されている。

ハイビートはその分だけ日差精度が向上する。1990年代前半まで、標準的な振動数は21,600bph(6ビート/秒)だった。従って、28,800bphはハイビートに分類されていたが、今ではクロノグラフの36,000bph(10ビート/秒)でない限り一般的な振動数になっている。ただし、現在でもロービートの21,600bphは耐久性のメリットから、まだまだ現役の性能を有している。

筆者が高校生の頃の記憶では、この「ハイビート」は腕時計の価格感覚では一般的なものに比べて2倍ほど高価だったので、いわゆる高嶺の花に相当する大人の持ち物という印象が強かった。そもそも、ビートレートが上がると駆動部分の劣化が早まることで、メンテナンス間隔が短くなるらしいのは、とても高校生向きの腕時計ではないのと、そこまでの日差精度を求める意味がない。

現在ではクォーツ駆動で安価に日差精度が確保できるわけで、あえて機械式で日差精度をより高くするためにメンテナンスが増えるのも不合理な話のような気もする。耐久性と日差精度は相反する機械式の宿命の中で、最近購入したオープンハートの時計を含めて、今回の[SEIKO LORD MATIC Special ]以外はすべてロービートの21,600bphなのは、それなりの筆者感覚の妥当性の結果だ。

手にしてまだ数日だが、ケースのステンレス鋼の硬度が[SEIKO 5 ACTUS]とは全く違う。いわゆる鏡面の仕上がり具合に美しさがみなぎっている。そして自動巻の振動音がさらに軽くなっており、完成度の高さが実感出来る。やはり高校生用の腕時計ではないことがよくわかる。日付・曜日が午前0時で同時に瞬時に変わるのもよくできている。

こうなると、今回の件で1970年代の思い出の自動巻腕時計を探していた趣旨が完全に崩壊して単なるコレクターの話になる。言い訳としはあくまでも1974年製の[SEIKO 5 ACTUS]が入手できなかった時の選択肢だったが、結果的には必要姓からは遠のいた道楽品のひとつになってしまった。しかも、この型番のほとんどはカラー文字盤や多面カットガラスの製品が全盛の頃なので、ホワイト文字盤の良品は比較的少ない。これが吉とでるかどうかの判断には今しばらくの試用期間を要する。

なお、付属のSSバンドは珍しく腕周り20cmのフルサイズだったが、これは取り置きすることにして、手持ちでお気に入りのメッシュ風軽量バンドに交換してみた。これで1970年代の機械式腕時計のお気に入り記事も概ね終焉を迎えた気がする。あとは日々楽しみながら時にはメンテナンスを行って、駆動状態を維持し続けることだけだ。

★ 裏蓋でもおおよその程度がわかる
250118_ 裏蓋のシリアルNo.から1972年製であることが確認できる。そして蓋表面の痛み具合から使用の頻度もおおよそ見当が付く。53年前の製品にしては裏蓋がきれいだ。表のケースや風防ガラスは経過年数相応のいたみが見受けられるものの、ある程度の修復は可能な程度だ。

そして、この裏蓋の状況を重ね合わせると、比較的短い期間にやや粗雑な扱いで使用されたのち、ほとんど保管状態だったのではないかと想像している。オープナーが到着したら、中のムーブメントを確認してみようと思うが、おそらく一度もメンテナンス(分解整備)が行われていない可能性が高い。

平置きで日差+10秒程度で調整は不要かと思うので、ご機嫌をうかがいながら丁寧に使用しつづけるのが得策のようだ。この結果をもって、程度の良い品と判断できるかどうか、今後は自動巻き上げ機での連続稼働状態も確認してみようと思う。

★ 裏蓋外し固定台
今のところ腕時計の裏蓋を外す予定はない。機械式自動巻腕時計の何本かはムーブメントの歩度調整をして日差10秒以内に収めたい気もするが、素人知識で調整限界に牴触すると取り返しがつかないのでそのままでよい。

250119_ ただし、ベゼルやケースのスレを修復したり、風防ガラスを磨く際に、ケース本体をしっかりと固定しておきたいために、表向き・裏向きの両方で問題の無い留めピン形状で堅牢なものを探して買い求めた。とにかく安定度がよく固定トルク感が明確にわかる構造のものでこれならば安心して固定台上で磨き作業が行える。

よくあるプラスチック製のチョウネジで締め付ける簡易なタイプと違い、上向きの場合にもベルトが邪魔にならず固定台を安定させることができる。

ただし、チャイナクオリティらしくダイヤル側の軸受け(単なる穴)の遊びが目立つので、スリーブを挿入すると格段に動作性能が向上して、お値段以上の品質を備える工具になった。これに[SEIKO LORD MATIC]を固定して、風防ガラスのキズ補修を毎日数十分ほど行っており、今では肉眼で目立つキズはほとんど消えた。

★ 予備の自動巻き上げ機(ツイン)
現在手元にあるシングル駆動で2台の腕時計が装着できる2015年製の自動巻き上げ機だが、聞250120_ くところによると、4~5年で駆動装置が壊れるらしい。先日ベルト交換を行ったので当分は大丈夫だと信じ切っているが、2台の腕時計をシングル駆動で回転させるのは、構造内部を知るとどうも負荷が大きいような気がする。

そこで、予備機としてもう一台の自動巻き上げ機を探していたら、ほぼ同じ年代で同じ機能の製品で、ツイン駆動でむき出しタイプのものが投げ売りされていた。ディスプレイ要素が全くないので買い手が付かないのか、送料の半値で入手することができた。

本来はアクリルカバーが付いていたのかと思ったが、どうも製品としてもとよりむき出し状態のようで、これはこれで日々の利便性を考慮した実用品ではないかと想像している。特記すべきは、駆動装置・操作スイッチ類および回路の基板もすべてが独立して2連になっているところだ。早い話がシングル駆動の製品パーツを2組収納したようなものだ。

手持ちの機械式腕時計は、あえて自動巻き上げ機に装着する必要のないものまで含めると合計で4個あるので、巻き上げるかどうかを選択判断できるこのタイプがあれば便利かもしれないと思い入手した次第だ。

モーターがギアボックスに直接かみ合っているため、ベルト駆動のような静粛性がないのが少し残念だが、ギアボックスのグリスアップを行っておいたのと、ベルト切れの心配がないので当分の間は故障知らずで安心できると思う。

2025.10.17
★ 交換用セイコー純正風防ガラス
250121_-285v-15gc 1972年製の[SEIKO LORD MATIC Special 5206-6110 第二精工舎(亀戸)]が届いた時に、もっとも気になった点は、風防ガラスのキズおよび欠けで、とりあえず目視では目立たない程度に磨きの修復を行っておいた。ところが2台ある[SEIKO 5 ACTUS]は風防ガラスがいずれも交換済みのきれいな状態なので、この[SEIKO LORD MATIC]の特にエッジの欠けがどうしても気になる。

そこで当時ものの在庫品を探したが、どうしても類似型番ものしかない。「SEIKO 純正風防ガラス 285V 15GC」は5206-6100適用らしいが、5206-6110に装着できるかどうかの確認知識が筆者にはない。

この型番の風防ガラスは、キングセイコーとロードマチックスペシャルとで共用になっているようで、これは[SEIKO 5 ACTUS 25石 諏訪精工舎製]もキングセイコーと共用なのと同じことから、風防ガラスの装着寸法にはある程度の共通性があるものと期待している。

やはり上位機種はそれなりに風防ガラス一つとってもそれ用のものが使われているようだ。ただし、風防ガラスは見た目の第一印象でもっとも重要だから、ここで差別化をはかるのはなんとなくわかる。

さて、自前で風防ガラスを交換するとなると、コジアケ道具と蓋閉め器具が必要になるのと、汎用の防水パッキンを準備する必要がある。しかし、この防水パッキンがさらに入手困難のようで、さてどうしたものかと思案中だ。

★ 届いた型番の風防ガラスと想像イメージが違う気がする
画像から見て取れるように、周面エッジカットを施したリング付きの品と思っているが、どうも「5206-6100」と「5206-6110」の明確な違いがあるようだ。それはパッケージのビニール越しでの感触からだが、念のために開封しないでカット形状をあれこれ推測している。その理由はリング左下にある1mm程度の切り欠きの存在だ。これが何を意味するかは、風防ガラス交換用工具が届いた段階で開封して明らかにしようと思う。

どうも、「5206-6110」用の純正風防ガラスの型番は、「285V 03GN」であることがわかった。リングの外径がφ28.50mmであることは共通しているが、リングの断面形状がどうかまではわからない。購入した「285V 15GC」を開封すべきかどうか迷うところだが、Oリングの揃っていないこともあり、しばらくは工具を含めての準備が整うまで開封は先送りになる。

★ 285V 15GC のカット形状
250126a_285v-15gc_9 手元にある未開封のセイコー純正風防ガラス「285V 15GC」だが、どうもこれが純正として設定されている機種の一つは、「5206-6100」であることが確認できた。そしてそのカット形状は9面のようだ。従って、「5206-6110」への適合および風防ガラスを開封するかどうかの判断は依然保留状態だ。

★ 防水パッキン(Oリング)を注文
時計の型番から即座に在庫確認の連絡がいただける、Oリング専門の会社を見つけた。[SEIKO 5 ACTUS]の2台、および[SEIKO LORD MATIC]の裏蓋Oリングは本日それらの在庫確認がとれたので即座に発注をかけた。しかし、[SEIKO LORD MATIC]の風防ガラスのOリングは在庫がないようだ。もうしばらくほかを当たってみようと思う。ちなみに、Oリングは200円で1本から販売していて、これだけでも助かる。

枠付き風防ガラスの場合には、裏蓋を開けてムーブメントを取り出すことなく、表面からだけでガラスの交換ができる可能性がある。(筆者の勝手な想像)従って、裏蓋のOリングは今後の開封のための予備ということで準備品として買い求めた。さて、風防ガラスのOリングを引き続き探すか、流用を前提にしてガラス交換に踏み切るかの判断に迷うところだ。

★ 風防ガラスのOリング
ベゼルを外してガラス周りのOリング寸法を実測してみようと思う。ガラス枠寸法が合致するか否かは別として、Oリング待ちの状態でパーツケースに仕舞っておく必要があるので、そのパーツケースが到着すれば作業に取りかかる予定だ。

実測したOリング寸法に近い汎用品を注文して、それが到着すれば外したベゼルを元通りにすることができる。さて、風防ガラスのOリングの手配は問題ないと思うが、ガラス枠寸法がどういう結果になるかは少し心配でもある。

★ 巻き太郎の付属品を調達
250122_ 自動巻腕時計のおまけで付いていた「巻き太郎」の付属品の調子が悪い。軸受けの溝が甘くなって回転時にカタコト音がする。そこで探したら1個用、2個用、3個用のセットがオリジナルらしいことがわかり、それらを運良く入手することができた。駆動状態に問題ないとのことなので、カタコト音は解決すると思う。

今ではこの種の時計バンドを調整して固定できる機構が備わった付属品をほとんど見かけないので、元祖「巻き太郎」は貴重かもしれないと思っている。

先に所持していた同製品のフォルダーは、3台・2台用だったので、今回これらに加えて1台・2台・3台用が加わったことで、空き時計の状況に応じて大抵の組み合わせで2機のマシンにセットできる。

今後に予想される駆動ベルト切れの対応も大丈夫なので、おそらくこの先も長期にわたり安心できると思う。

★ 歩度測定器(タイムグラファー)を試す
スタンダード仕様のタイムグラファーを安価で譲り受けた。商品はまだ手元にないが、この測定器でどうしても歩度校正を行いたい自動巻腕時計がある。校正といっても、裏蓋を開けてヒゲゼンマイ上部の「+-」をいじるだけで、振れ幅の調整までは行う予定はないが、その際にはこれがないとどうしようもない。

250124_ これくらいならば、近所の時計店へ持ち込めば簡単に作業を行ってもらえそうだが、ビンテージものの歩度校正は分解清掃・調整とセットになっているので、これだけをあまり快く請け負ってもらえないのが普通だ。そこで、時計の測定位置をあれこれ変えながら、納得できる精度まで追い込むだけならば、このタイムグラファーがあれば非常に効率的かつ安全だ。

当然ながら裏蓋を開けるとなると替えのOリングも準備しておかなければならない。というのが先の記事で入手したOリングだ。

とにかく、1台のみ日差+60秒なので、実使用環境でこれを半分以下の精度まで追い込むためには、歩度調整で10秒以内に収める必要がありそうだ。その作業が終了すれば当分はタイムグラファーの出番はない。というもったいない買い物だった。おそらく、前の持ち主も同じような動機で入手したものの、日常的に使用するものでもないので筆者のところへ廻ってきたとうことかもしれない。

★ タイムグラファーが到着した
試運転の意味で精度に全く問題のないシチズン自動巻(オープンハート)を上向き水平でセットしてみた。「日差-3sec」で納得した次第だ。歩度測定をすべき腕時計については、本日到着した「磁気抜き器」でまず微量の帯磁をキャンセルして、しばらく様子見のあとでタイムグラファーにセットしてみようと思う。

マイクスタンド装置およびディスプレイともに想像していたよりもやや大きい。配線ケーブルやコネクター等の造りが非常に堅牢で、金具の品質も良い。ディスプレイは青色液晶と基板だけの構成と思えるのは、重量感のあるマイクスタンドとは正反対に軽い。全体的な印象は西の大陸製にしては予想外にクオリティが高いと思う。世界中でほぼスタンダードになっている機器だけのことはある。ちなみに電源オン時のメッセージは日本語になっていた。

★ 磁気抜き器を試す
250127_ 歩度調整を行う前に分解・清掃を実施するのが理想だが、その前に行うべき必須の処置があるようだ。それは腕時計本体の帯磁を除去することで、それに用いる工具は「磁気抜き器」なるものが安価で販売されている。

ドライバー工具やピンセットの先端部分から磁気抜きをするのは、永久磁石のS極とN極を交互に行き来させれば簡単に終わるが、腕時計の場合にはそのような雑な方法は使用できない。そこで仕方なく定番ものの磁気抜き器を注文した。

この磁気抜き器は取扱い説明書がない。ネットで使用方法を調べてみると、磁気抜きの科学的な考え方からすると明らかに間違っているものも少なくなく、製造メーカーの無責任さには驚く。この種のものにはよくある、ユーザーの知見と責任において使用すべき類いのもので、その意味では分解して中身(回路)を確認しておくのも良い。

こちら、千円台で購入できるのは良いが、発生磁場がかなり強いので、時計との絶対的な距離を確保して使用しなければならない。何でもプレートに2cm~3cm以上近付くと良くないらしい。内部の電磁石が物理的に固定されておらず、蓋でおさえられているだけなので、質量の大きな金属を近づけると磁場による振動が発生する。

間違ってもプレートに時計を置いてはならないので、念のために2.5cmのスペーサーを切り出しておいた。無論、電磁石もケースに独立して固定してある。これで安全な操作が確実に行える。機械式自動巻腕時計の帯磁状態を確認すると、1台がやや顕著に帯磁しており、もう一台が微妙な様子だった。そして残りの2台は全く帯磁していなかった。一般的には帯磁すると歩度校正がずれるそうなので、そのあたりも留意しておくとメンテナンスの指標になるようだ。

ピンセット×1本、機械式自動巻腕時計×2台 の磁気抜きが一瞬で終了した。方位磁石で磁化の有無を確認したところ、見事に消えていたので作業としては失敗なく安全に行えることが確認できた。タイムグラファーの収納箱に入れておいて邪魔にはならない、使い方さえ間違わなければ、あれば便利なコストパフォーマンスの良い品だ。

2025.10.28
★ ついでに注文してしまった小物
250128_ 3.500円以上送料無料につられて、あって邪魔にならない「腕時計ベルト調整工具」を注文してしまった。自転車整備のチェーン切りのような工具なので代替え品は何かとあるので、使用頻度からしてあえて必要姓を感じなかった。

しかし、この広告の付属ハンマーをみてこれが欲しくて注文したようなものだ。腕時計をいじりだすと小物工具があれこれ必要になるのは仕方ないが、それらが昔と違って破格の値段で販売されているのがせめてもの救いだ。無論、時計店の職人がこれらを使用しているとは思わないが、これでも良いかと思うような仕事への情熱の程度を危惧する。

・・・つづく(もどる)

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