薄型2針クォーツ:SEIKO Premier(並行輸入品)
ムーブメントの防湿のことを考えると、防水パッキンが装着されているタイプのケースの方が好ましいのは当たり前だが、そうなるとどうしても厚みが増えて重量もそれなりになるのが一般的だ。
筆者が社会人になって間もない頃に購入した腕時計は非防水の薄型だったのは、そのリスクを考えてもなお軽量にこだわった結果だが、生活防水でなお薄型の完成度の高い海外仕様の現行日本製腕時計を見つけた。おそらくメタルバンドが全体重量の半分を占めると思うで、そのうちに革バンドに交換するのも悪くない。
見つけたというのは、もう一つの特徴である秒針なしの「2針」でインデックスが5分刻みのおおらかな文字盤のことで、かつて憧れだった[ユニバーサル ホワイトシャドウ]を思い出すシンプルなフォルムが印象的な、そして風防は最近では珍しいエッジカットのサファイヤガラスだ。加えてカレンダーが申し訳ないほど小さくロゴ化しているのも良い。
外径が40.7mmなので、筆者のような太い手首でないと似合わないのとリューズの形をはじめとする全体的なイメージがヴィンテージ風であるところが好みの分かれるところだと思う。もっとも、海外生産だが、型番の最後に「J」の文字が付いていることから、国内での販売にもある程度の予想を立てた結果だと思う。
裏蓋の「7」の数字からすると、おそらく2017年製の在庫処分品だと思うが、そのために予想外に格安で入手できたのもうれしい限りだ。このシリーズの逆輸入現行品はカラー文字盤やゴールドコンビなど、多彩な派生品が見受けられるが、やはりこの当初のシルバーがもっとも「Premier」としての品格がある。
これが今年最後の買い物で、腕時計に関してはおよそ60年間のお気に入りの品々を、夏以降でそれなりに揃えることができたが、商品価値や資産価値という観点だと、まあガラクタと言えばそうかもしれない小遣いの範囲の安価なものばかりだ。
★ 秒針がないことの意味
最近では掛け時計も秒針があるのが当たり前だが、駅のプラットフォームや街角・公園の大型時計のように、秒針がないと「時刻」を一瞬の画像として認識できる。分の前半なのか後半なのかもイメージで認識して、あえて秒数を推測することもない。
これはデジタル数値の時計に比べると、アナログは3針でもはるかにイメージ認識の度合いが濃くなるが、2針になると針は確かに動いているのだが、盤面を見た瞬間に止まるような気がする。大げさに言えば量子力学の補足説明のようなもので、そういう意味ではクォーツ一般の1秒刻みの秒針の動きは、時の流れを表示するにはいかにも不自然だ。
★ ムーンフェーズの疑問
月齢の月の姿を盤面に現す「ムーンフェーズ腕時計」だが、満ち欠けのサイクルである29.5日を歯車で駆動させるために、2倍の59日で二つの月を回転させている発想は見事だ。月の満ち欠けは生物の体調にも影響のあることなので、天気予報と同様に毎日の確認が日課になっている。そこでこの機能が備わった腕時計を長らく思案していたが、先日ようやくその結論がでた。
運用上ではPCの常時表示画面(予定表やメーラー等)の一つに、「今日のこよみ(国立天文台歴計算室)」があり、これを確認することで不自由はないのだが、腕時計にもこれがあるとたまには便利かと思い、長らくそのような製品をあれこれ調べているうちにある疑問に答えが出た。
月の満ち欠けの方向(角度)が現実とは違うのは良いとして、満ち欠けの「えぐれと膨らみ」が区分されていないことに、機械的機構の限界と妥協のあることが確認できた。早い話が「膨らみ」を表現することができないことがわかった。(右下の月齢10.1日-長潮を表現できない)
これを良しとして「ムーンフェーズ腕時計」を持つことの必要姓というか、コストパフォーマンスの良し悪し考えると、少なくとも天文学的類似情報としての付加機能のために、新たな腕時計を求めるのは合理性に乏しいという結論だ。従って、安価なクォーツ式から高級自動巻までの「ムーンフェーズ腕時計」の思案候補はすべて却下して、予定していたお気に入り腕時計の購入はおおむね今回で終了した次第だ。
ところが、月の満ち欠けはもとより、設定経度地点の潮位の変化(タイドグラフ)を示す釣り用腕時計で、デジタル表示だけならば数千円で販売されていることを知って少し心が動いている。もっとも、タイドグラフはGPS情報の自動取得で運用できるスマートフォンアプリの方が合理的な気もする。
★ 液晶表示のムーンフェーズ
月の満ち欠けの「膨らみ」を表現できることと、潮汐や温度計をセットにしたいわゆるフィッシング用の「CASIO製」レジャー時計があることを知った。こうなると時計機能はおまけのような気もするが、中でもアナログ時計とのセットものは使えそうな気がする。
潮汐と月齢を主体とするG-Shock風のものと、温度(気温)をメインとするダイバー風のものがデジアナとして新・旧のバージョンがあるようだが、いずれも生産終了の逆輸入製品のようだ。未使用保管品が見つかればそのうちに考えることにするが、こうなると腕時計である必然性が希薄になってきて、スマートフォンのアプリにはもっと優れたものがあるので、月齢の表示目的を再確認する必要がある。
ここに来て、腕時計に時刻以外の付加機能を求め続けると、それはカレンダー機能についてもそうだが、そのほとんどがスマートフォンで代用できることに気付く。そうなると、腕時計の存在意味というものが、かつて「時計・宝石・貴金属」というフレーズが一般的であった昭和の時代に舞い戻るような気がする。
従って、手首のアクセサリーとしての必要姓と価値観が絶対的でない現在、スマートフォンがあれば腕時計はまず必要ないという発想が一般化してきたようだ。ましてや日誤差のある機械式(自動・手巻き)腕時計などは、その価値がさらに乏しいという見方にも一理ある。
そのような時流によりスマートフォンの端末デバイスとしてのスマートウォッチが一般化したことの理由に今さらながら納得できる。しかしながらスマートフォンにしてもスマートウォッチにしても、日常的に充電しなければならない手間が、腕時計派の筆者には根本的に同一視できない点だ。
特に機械式自動巻腕時計は数十年間休みなく動き続けることが当たり前で、その意味では事実上の永久機関とも思える人類史の一大発明の一つだと思っている。実際のところ、ボタン電池の入手が困難な発展途上国では、それ故に機械式自動巻腕時計が必須になっている。
★ ソーラークォーツ用の収納スタンド
細君の腕時計をはじめとする4本のソーラークォーツの保管には、室内照明が十分に照射できる透明の収納ケースが便利かと思った。そこで機能製重視の場所をとらない縦型のケースを注文してみた。
各階の仕切り板5枚の挿入位置に自由度があり、影のないオール透明樹脂製なで、機能的には問題ないと思うが、しいて言えば安っぽいのは事実安価だからしかたがない。扉の開け閉めのきしみ音もいただけないし、ベースの滑り止めも付いていない。
これらの点には若干の手を加える必要がありそうだが、他の代替え品もないことだししばらくはこれを使ってみようと思う。
使ってみてわかったが、収納面積がコンパクトなのと、30cmの棚に29.1cmで収まる点がよろしい。もとより、ガラクタ趣味の腕時計群なので、これはこれで似合っている気もする。
2026.01.06
★ 「Premier」がまもなく到着
昨年末に注文した表題の商品がようやく明日到着するようだ。注文から到着予定までの間にこの商品のことについていろいろと調べてみたが、生産終了が2022年のようで、おおむね5年間の製造期間のものだと推測している。
現在国内で販売されているものも「キャリパー:7N39」は同じのようだが、文字盤インデックスが異なる廉価版もあるようで、その意味では本品にオリジナル性が見受けられる。サファイヤガラスで古風なエッジカットはあまり見かけないのでそのこともたのしみだが、重さ情報がまったくないので実測結果が気になる点だ。
一方で、先に掲載したカシオ製の潮汐(タイトグラフ)と月齢(ムーンフェイズ)機能が備わった2種のデジアナだが、ダイバー風のものは未使用保管品が見つかったが、G-Shock風のものは中古品でもほとんど市場から姿を消しているようなので、これら2つを年始早々に注文しておいた。取扱説明書はカシオサイトから入手して、疑問だったタイトグラフの信憑性を確認したが、潮汐予測の位置情報として経度と月潮間隔を設定することで、視覚的には正確な表示が可能になるようだ。
30年間使用した「CASIO Pro Trek」が液晶パネルの寿命を迎えてから久々のカシオフェースだが、代替えになるかと思っていた「Ice Watch」とはやはり趣が少し違う。何というか、カシオのオリジナルデザインの印象が強い。
★ 注文の品が同時に到着
[Premier]W=108g
ケース寸法φ40.7mmは特別大きなサイズではないが、ベゼルが細いことで文字盤がやはり大きい。筆者の腕周り18.5cmだと目立たないが、バンド幅が24mmという太さも、一般的には使いこなすのが難しい大きさだ。そして、ケースおよびベルトの重さもそれなりにあり、手首にやや存在感がある。
風防サファイヤガラスの表面は完全フラットでエッジカットの辺長は短いがきれいな屈折スペクトルを発している。気づかなかったが針は濃紺色なので、太陽光下ではかなり映えるようだ。カレンダー窓の縁取りにスペクトル反射が見られることから、遠目にはワンポイントジュエリーのように映るのもよくできている。
ガラス内面に無反射コーティングが施されているような雰囲気があり、透過性と文字版の視認性は優れている。文字盤面のホワイトは正確にはオフホワイトの「生成り」(画像下側)のクラシカルな雰囲気で、シルクと綿の中間的な艶感だ。そして、ケースおよびバンドの仕上げ具合にはやはり[Premier]の上質さを確かに感じる。数あるガラクタの中でもバンドを含めて比較的完成度の高い仕上げの部類だ。
バンドはオリジナルのSS製のままにしておこうと思う。それは最新型のDバックルなのか、三つ折れバックル部もすべてコマで連結されたデザインがすばらしく、この完成度に見合う革製バンドを探すのはきわめて困難で、24mm幅の革製となるとどうも間抜けするように思う。ということで、やや重めの付け具合だがこのオリジナル仕様の奥深さを見いだした次第だ。
[Tide & Moon G-Shock風]W=70g
かつての「CASIO Pro Trek」思わせる大きさとケースデザインだが、それより一廻り大きい気がする。その分だけ「Tide & Moon」の液晶表示が見やすくそれはそれで納得できる。薄い緑とのツートーンカラーの文字盤も悪くない。これは「Tide & Moon」のコントラストが明瞭で視認性が良い。
[Tide & Moon ダイバー風]W=92g
ケースのモードボタン以外はすべてステンレス製で比較的小ぶりのサイズだけにフィット感が非常に良い。「Tide & Moon」の液晶表示が小さく目立たないが視認性は問題ない。上段液晶表示の温度は、「CASIO Pro Trek」の時もそうだが、筆者にはあまり意味がない。手首の体温を拾うので、外気温を計る場合には20分程度時計を腕から外す必要がある。おそらく、極寒や海上であれば問題ないのかもしれない。メタルバンドは中空構造でチタンに近い軽量化が図られている。
「G-Shock風」と「ダイバー風」の両方とも曲面ガラスが使用されているので、透過性がよく極細なエッジカットも美しい。樹脂バンドとメタルバンドともに軽量に仕上がっているので、見た目よりもはるかに軽い。「Tide & Boon」情報はこの精度だと十分に実用的であり、特に満ち欠けの「膨らみ」が表現できている点は、機械式ムーンフェーズに比べてリアル感があり自然だ。筆者は海岸沿いに住まいしているので、日常的に干満を目にすることから、この2つのカシオ製腕時計を常時楽しめるのと、梅雨・台風時の大雨警報と潮位の関係をリアルに予測できる。
★ 1月14日の潮汐
当地のように日潮不等が著しい海域では、本日は地球と月との距離が最も遠くなる日で(L=405,000km)、潮汐の山(満潮)は24時間で1回しか発生しない。何を記述しようとしているのかと言うと、このような地域性と天体配置の時には、前述のカシオ製腕時計のタイドグラフはほぼ意味をなさないことがわかった。これはメーカーに直接問い合わせて確認したことで、およそ時計内部の演算レベルの限界を顕著に露呈しているとのことらしい。
要するに、タイドグラフはほぼ使い物にならないと考えてよい。このことを問い合わせると、かなり担当部署がざわついているように思えるのは、回答メールと言い訳メールの2回の連絡があったことでおおよそわかる。従って、当初の目的であったムーンフェイズの情報のみであれば別段問團はなさそうだ。
ムーンフェイズとタイドグラフが装着された機種はあまり多くはないが、今回のように誤作動かとの誤解を招くので、タイドグラフはやめた方がよいと思うのは、スマホで確認すればリアルタイムで潮汐が確認できる昨今だからだ。
2026.06.21
★ デジタルムーンフェイズの再考
アナログムーンフェイズに比べて、デジタル表示の場合には月の満ち欠けの表現がよりリアルで好ましい。つまり、小潮(半月)から大潮(十五夜)までの満ちる様子がアナログでは表現できない。そのために、前述のCASIO製ムーンフェイズはどうしても手放せない一つだ。しかし、何分にも型式が古く月の満ち欠けの液晶表示が4コマの組み合わせでいかにも雑な感が拭えない。
重複する温度計表記主体の機種を手放して、新たに月の満ち欠けの液晶表示が8コマの組み合わせの商品に入れ替えた。といっても、これも10年ほど前の機種だが、最近の製品ではかなりの高級品でないと、このムーンフェイズが搭載されていないようだ。
3針が搭載されれいないデジタル表示オンリーの機種はどうも好みではないので、アナログ+ムーンフェイズを探してみると、驚くほど品数が少ないこともわかった。これはどうも希少性ではなく単に不人気なだけのようで、中でも右画像のようなホワイト仕様となるとさらに見向きもされないようだ。
もう一つ、この機種になってアナログ2針が見やすくなっている。そのことは腕時計としての基本性能だが、液晶表示もおそらく白黒反転のようなので、こちらもより視認性が良く、特に月齢表示が素直だ。タイドグラフは満潮と干潮の間を矢印が回転するアナログ機構に変更されており、アナログムーンフェイズ円盤のようだ。これにより文字盤全体のレイアウトに自由度が生まれてよりスタイリッシュな印象を受ける。
★ ベルトバックルを「Dタイプ」に交換
注文していた美カン幅22mmのDバックルが到着したので早々に交換してみた。機能的には全く問題なく装着できて、先の記事にあるタイドグラフ月ムーンフェイズもそうだが、樹脂ベルトと革ベルトのすべてはDバックル仕様にしている。
もっとも筆者の場合には腕周りが19cmオーバーなので、Dバックルベルトはすべて上下を反転させてケースに装着している。こうすることで、バックル金具の腕の裏側での納まりがよい。ただし、このことに気づくまでは相当の年数を要した。
この画像から見ても、一般的な腕周り17cm前後だとプロテクトケースが腕からはみ出るとおもうので、この腕時計はかなりユーザーを選ぶことになる。それだけに腕元の存在感は絶大なようだ。
2026.07.10
★ ムーンフェイズの表現に満足
アナログムーンフェイズは月の満ち欠けの度合いだけを表現しているのに対して、デジタル8本弧のムーンフェイズは、満ち欠けの方向も八段階で表現出来ている。
つまり、夜空の月の形がそのまま時計の中にあるわけで、この当たり前の表示が今さらながらうれしい。フェイズ窓がもう少し大きければなお良いが、反転液晶でもあることなのでこれで納得しようと思う。
このような特殊機能の腕時計は、世界中で「CASIO」の独壇場のようで、スイス製の高級ブランド製品とは別な意味で知名度の高い、日本が誇るべきメーカーだと思う。ところが、一般の時計店では「CASIO」の製品のメンテナンス(電池交換)を快く受けてくれるところが少ない。特に、「SEIKO/CITIZEN」の卸売り店では嫌われる傾向が強い。
「CASIO」の最近の電池式機種では3年~5年間駆動する製品もあるようで、そうなるとなおさら電池切れの際には買い換えに走る、消耗品扱いのユーザーも多く、筆者のようにかつての[ProTrek]を30年以上使い続けるユーザーはあまりいない。
この種の腕時計の場合には、電池交換だけのメンテナンスで前述のタイドグラフ製品を含めて、おそらく生涯手元に置くことになりそうな気がする。
・・・つづく(もどる)
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