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2026年3月 3日 (火)

気になるあの腕時計

03__20260227203601 大学生になってからは腕時計に特別な思い入れもなくなり、必然的に気になる腕時計も記憶にない。筆者にとっての腕時計の思い出は、高校入学時に皆が持っていた、[SEIKO 5]や[CITIZEN CRYSTAL SEVEN]および[RADO DIA STAR]が未だに忘れられない。その時の筆者は叔父さんから頂いた手巻きの[WALTHAM]だったが、今思うと結構な高級品だったようだ。

さすがに当時の自動巻タングステン超硬ケースのカットガラスを今身につけようとは思わないが、1980年製のユニセックス仕様のクォーツ製品などは実用的で魅力的だと思う。このことは「先月の記事」でも触れたが、タングステン超硬ケースとサファイヤガラスの美しさは、発売から46年が経過してもほとんど劣化していないのがすばらしい。現時点で「RADO」製品をもう一度身につけたいと思うのは、クォーツであれば1990年製の[DIA STAR]も古さを感じさせない普遍的なデザインだと思う。(画像右側)

26016_diastar ということで、1980年製・1990年製の同系列の[DIA STAR]を入手してしばし眺めているところだ。いずれもブラック文字版にしたのは、経年の日焼けが目立たないようにとの考えからだ。

時計内部のホコリや汚れを除去して、風防ガラスの内側も完全清掃したことで、いずれもかなり美しい仕上がりになっている。無傷のケースとサファイヤガラスはこれらの素材の普遍性を改めて実感した。

このモデルはステンレスブレスレットも鏡面仕上げで統一されており、昨今では見かけない仕上げデザインだ。特に、1980年製の方は中空コマの構造なので非常に軽い。そして、ブラック・ゴールドのコンビネーションだがコントラストが控えめで上品だ。

一方で1990年製の方は、大胆な鏡面仕上げの平面ベゼルが印象的でしかも個性的だ。曲面の膨らみを基調とする1980年製とは対照的に、すベてを平面の反射で統一されている1990年製を見ると、この二つを揃えずにはいられない気になった。1990年製の世界市場はブラック(ブルー)・ゴールドのコンビネーション仕様のようで、日本国内等の一部でこのモノトーン仕様が販売されていたようだ。つまり、こちらの方が日本国内では正規代理店経由の可能性が高い。

2026.03.05
★ ついでの荷物が届いた
26018_citizen-cosmostarv2 1973年製 「Citizen CosmoStarV2 9面カットガラス レディース」が届いた。風防ガラスが割れて長年眠っていたものを今回整備したものらしい。分解清掃が必要だと思うがそこまで手間をかける値打ちがないとの売り手判断で、風防ガラス交換のみの状態で事故品として破格の値段で入手した。

(観察結果)
 ・文字版の隅に微少なガラスの破片が1片残っていた
 ・文字版、針は無事
 ・ベゼルの打痕がやや目立つ
 ・ケースは目立つキズはない
 ・竜頭操作、歩度は正常(28800ハイビート)
 ・ストラップのケース固定部の片側に強い力が加わった症状が見られる

ケースの内部点検をして、もし異物が混入しているようであれば見た目の清掃と外装のキズ補修およびストラップの調整をしてみようと思う。

[裏蓋オープン]
・硬すぎる、最近開けた形跡がない
・オシドリは容易に見当がつき、巻き針がきれいな状態で抜けた
・スペーサーの変形が少し気になるが素直にとれた
・機械部分を取り出して文字盤を入念に確認する
・秒針停止機構がないようなので駆動状態で作業する
・例の微少なガラスの破片はケース側に残留したようだ
・ムーブメントを慎重にブローして、異物の混入がないことを確認
・非常にきれいなムーブメントで、水分の侵入も一切ない

[ケースの補修]
・空のケース内部を洗浄
・ベゼルを外すが、圧入された風防ガラスが一体でついてきた
・無理に風防ガラスをはずそうとすると割れる可能性もあるのでこのままにしておく
・ベゼルの打痕を目立たない程度に修復して研磨
・ケースの曇りを修復して研磨
・風防ガラスの内側を入念に清掃
・ベゼルの圧入は今回の方が奥まできっちり納まった

[ストラップの補修]
・交換バネ棒の準備
・バネ棒受け金物の変形を修復
・留め具の調整と清掃

[ケースに収納]
・シリコングリスを塗布してベゼルを閉じる
・Oリング(パッキン)は新品が装着されていた
・ムーブメントを戻してスペーサーを入れる
・巻き針にグリスを塗布
・裏蓋パッキンにシリコングリスを塗布して優しく閉じる
・ストラップを戻して完了

自動巻き上げ機にセットして、すでに8時間が経過して問題なく駆動しているが、この状態で数日様子見というところだ。今回、はじめてレディース用の自動巻腕時計の裏蓋を開けたが、クォーツと違い機械部品がぎっしり詰まった驚きのムーブメントだった。しかも、日付・曜日窓が並び、日だけクイック操作が可能だ。はっきり言って筆者はこの小さな文字は読めない。

1.テンプはメンズの一廻り小さめだが、他のギアパーツがとてつもなく小さい。オシドリがピンセットの先では押せない。
2.自動巻きローターがムーブメントの割りに大きい。
3.使用されている皿ネジも芸術的に精巧だ。
4.ケース幅27.6mmの小さな文字版上での秒針の動きは、8ビートながら10ビートのように見える。

一般的にはメンズよりも割安な価格設定だが、メンテナンスの手間はメンズよりも大変に思える。しかもこのムーブメントは28800ハイビード仕様だから、すべてのパーツの精度もメンズを上回るような気がする。風防ガラスの9面カットは「SEIKO ROADMATIC Special」と全く同じ相似形だ。光の反射度や透過度もよく似ている。あえて言えば、こちらの方がはるかに小さいためスペクトル分解の発色が顕著で美しい。家族の誰かが自動巻腕時計に興味を持てば譲ることにして、しばらくは眺めて楽しむことになる。

・自動巻き上げ機での巻き上げができない
整備が済んでからの様子見だが意外と早くゼンマイがきれて止まる。手巻きだと24時間程度は駆動するが、自動巻き上げ機だと6時間以内に止まる。裏蓋を開けて自動巻き上げ機に装着した時のローターの動きを見ると、斜め45度の巻き上げ機回転傾斜角だと、ローターが軽すぎて十分に回転してないことがわかった。

そこで、自動巻上げ機の設置角度を90度にして一回転ごとに必ずローターの回転が得られるようになったことを確認して、現在のところ6時間が経過した。おそらくこれで自動巻き上げが可能になると思うが、レディースの小さなローターの回転を確保するのは、メンズとは少し勝手が違うようだ。そう言えば、ソーラータイプでもレディースは受光面積が少ないので、メンズより強力な光源を得る必要があるそうだ。

<自動巻き上げ確認中>
手巻き40回のあと自動巻き上げ機にセット
 ∟6時間経過:OK
 ∟12時間経過:OK
 ∟1日経過:OK(3月9日)
 ∟36時間経過:×STOP(3月10日)→自動巻歯車に注油

ゼンマイ解放状態から自動巻き上げ機に再セット→再駆動中
 ∟3時間経過:OK
 ∟6時間経過:OK

タイムグラファーによるチェック(3月10日)
 ∟手巻きでゼンマイを巻き上げてセット
 ∟振り角が狭い、明らかにテンプの性能が劣化
 ∟テンプに注油、振り角が一気に正常値下弦に変化
 ∟ビートエラー、日差も規定値に納まる

再度自動巻き上げ機にセットして様子見
 ∟12時間経過:OK
 ∟1日経過:OK(3月11日)
 ∟2日経過:×STOP(3月12日)ゼンマイ解放状態、自動巻の巻き上げ不十分な原因不明
 ∟手巻き巻き上げ後に再セット
 ∟12時間経過:OK
 ∟3日経過:手巻き巻き上げ後に再セット(3月13日)
 ∟4日経過:×STOP(3月14日)テンプの振り角が極端に狭くなった
 ∟ビートエラー、日差測定負荷
 ∟歩度精度圏外:振り角異常

本ムーブメントの調整をあきらめる
ムーブメントはお蔵入りとして、9面カットガラスはそのうちに流用を試みる

やはり分解掃除が必要な状態のようだ。リューズにトルクをかけると自動巻の回転が極めてスムーズになる現象も発見して、巻き針を抜いて確認すると芯棒の汚れが目立つ。この時点で「Citizen CosmoStarV2 9面カットガラス レディースは稼働品のラインナップから外れて保管引出へ移動することになる、残念だが分解清掃の技術は持ち合わせていない。

★ Citizen CosmoStar V2のムーブメントを入手
26027_citzen-cosmostar-v2 あれからひと月が経過して、ケース・裏蓋・風防ガラス・ベゼル・メッシュバンド等の外装の程度が非常に良いので、同じ28,800(ハイビート)の8振動ムーブメントを探していたら、ガラスが小傷て曇っていてベゼルに大きな筋がついているが稼働している出物を見つけた。内部が触られていなければ文字盤ごとムーブメントを入れ替えて、外装も良いとこ取りで組み上げることができそうだ。

文字盤は今回のネイビーの方が古さを感じさせないように見える。一般的にレディ-ス自動巻は購入直後はともかく、しばらくすると放置状態になる場合が多いので、ムーブメントの程度はメンズに比べて良好な可能性が高い。この個体の価格帯からしても定期的に分解掃除をする対象ではないので、もしかすると裏蓋が一度も開けられていない可能性もある。

商品が到着すれば程度と稼働状況を確認して、ムーブメントの載せ替え可否の結論がでるが、とにかく8振動のレディース運針は実に滑らかで美しいと期待している。

 修理不可(ホワイト)6600 4-60617-K serial:20703229
 今回購入(ネイビー)6600 4-60617-K serial:20704371

26028_ ほぼ同じ時期の製造とみて間違いないこと気付いたのだが、付属のメッシュバンドはどうも純正品のようだ。しかし、腕周りの調整はバックルのピン位置の移動のみで、15.5cm~17.0cmに設計されている。

ムーブメントを文字盤・針付きで外した際に、単に入れ替えだけならば良いが、文字盤や針のメンテナンスや交換となると、固定台がないと作業が極めて困難だ。これまでにこの固定台なしで[SEIKO 5 ACTUS]の文字盤のメンテナンスを行った時に、次回は固定台を用いようと思い今回購入した次第だ。ついでに針のメンテナンス工具と夜光塗料も注文しておいたので、これでムーブメントの入れ替え時の作業が安心してできる。

裏蓋回し・ベゼルのこじ開け器・ガラスとベゼルの圧入器とシリコングリスがあれば、点検と外装パーツのメンテナンスはほぼ可能だ。特にケースとベゼルのメンテナンスおよび風防ガラスの交換ができればヴィンテージ時計の再生はある程度期待できる。

★ ついでの荷物(その2)が届いた
26019_seiko-presage 1月に入手した[1986年製 SEIKO PRESAGE MOONPHASE 7434-60 ]だが、このシリーズで2針でケースの厚みが薄く装着しやすいタイプの製品[SEIKO PRESAGE 7749-6000]がある。ただし、ムーンフェイズを含めて、このコンビネーションデザインのベゼルにローマン文字を刻んだタイプは一般的に不人気のような気がする。

高級感がありスタイリッシュのようでも、コーディネートを間違ったり、使い方が粗雑だと安っぽく年寄り臭い印象がある。要するに無傷でピッカピカでないと「PRESAGE」ブランドの影がうすくなり、ましてや2針はファッション性が強いのでどうしても敬遠がちだ。

ふと見かけたこの製品の説明が不動状態で放置期間が極めて長いとのことで、送料以下の値段で購入したが、筆者の思いはコンビネーションベルトとサファイヤガラスおよびベゼルの予備として備えておくためだ。

・到着した商品の意外な事実
ケース外装およびストラップとバックルはほとんど無傷で美しいが、不動状態とはおそらくリューズから水が浸入して電子回路がショートしたか、電池が腐食してムーブメントとしては使い物にならないのだろうと予測していた。

しかし、不動の原因がおおよそ見当がついた。裏蓋パッキンが完全に固着して、しかも必要以上のトルクで締め付けられているようで、普通の工具では裏蓋がびくともしない。そこでケース固定台に回り止め治具を製作した上で、裏蓋溝と工具爪との密着度を強化する工夫を行い、数十分の格闘の末にようやく裏蓋が回った。

おそらく、何回目かの電池交換の際にこの裏蓋の固着を理由に電池交換を断られたために、長期保管する結果になったというのが真相のようだ。内部電池は15mVまで低下しており、まもなく腐食が進行するところだったが、ムーブメントは極めてきれいで水や埃の浸入痕跡はなく、ケースのネジ切り部も汚れが付かない。

これならば「ひょっとして」と思い、新しい電池を注文して装着したところ、案の定正常に駆動し始めた。裏蓋パッキンを交換して駆動状態を確認しているが、2針のためにリアルな動作確認ができないものの、これまで3日間は正常に時を刻んでいるようだ。予定外の稼働品が1台増えたことになるが、筆者がこれを使用するかどうかは別として、「救済品」として手元に置いておくことにする。

★ 1986年製 SEIKO PRESAGE「紺色文字盤」 を譲り受ける
26025_seiko-presage_ 先の2針クォーツ [PRESAGE]は予想外に入手したものだが、筆者はこれらの製品のコストパフォーマンスを高く評価している。ムーブメントは汎用のクォーツだが、ケースとオリジナルバンドおよびサファイヤガラスの品質バランスが気に入っている。最初に入手した3針[ムーンフェイズ]のコンビネーショントーンも良いが、2針ならば、モノトーンの「紺色文字盤」も上品で持ちたい品の一つだ。

しかし、モノトーンの「紺色文字盤」の製品はあまり見かけないのと、そもそも、この1986年製の2針クォーツ[PRESAGE]は程度の良い品が少ない。そのような雑談をしながらいつもの時計店で暇つぶしをしていたら、ありました下取り品等の「宝の引出の中」に。

ほぼ未使用で青い裏蓋保護シールも貼られた、モノトーン「紺色文字盤」の[PRESAGE]がフルサイズのベルトコマの状態で見つかった。店主の酒代ほどの御礼で心地よく譲っていただき、ついでながら新しい電池も挿入してもらって本日は上機嫌で帰宅した。

モノトーンとは言え、針・インデックス・ベゼルの堀込みローマ数字・リューズが金色になるが、主張は控えめで落ち着いている。全体的には鏡面シルバーの素地に紺色の文字盤が映るというイメージで実に上品だ。

★ ペアウォッチで揃えてみた
26021_rado-diastar-15303423 先の記事で述べた1990年製の「RADO DIASTAR 153.0341.3(右画像)」だが、この型番違いで全く同じデザインの相似形になる「RADO DIASTAR 153.0342.3 レディース」がある。写真画像を細君に見てもらったところ、まんざらでもなさそうなので早々に注文しておいた。この手の36年も年月が経過したレディース製品は、総じて人気がなく驚くほどお手頃価格で入手が可能だ。

こちらのケースサイズは外径24mmで、メンズのようにカレンダーのないシンプルな見た目になる。しかし、文字盤やベゼルおよびベルトのコマデザインのすべてがメンズと相似形になっていて、それなりに完成度の高いデザイン性だと思っている。

実際、リューズの大きさを見逃したら画像ではメンズとレディースの区別がほとんどつかない。ぱっと見ではカレンダーのありなしくらいが大きな違いにも思えてしまう。もっとも、これがペアウォッチになっていることは細君には知らせていないし、筆者もペアで付けようとは思わない。まあ、注文品が届いたら並べて撮影をしてみようと思う。

26022_rado-pair 筆者がお気に入りの1990年製の[RADO DIASTAR]だが、メンズとレディースの大きさは当然ながら全く違う。なるほど、レディースではカレンダーと秒針が省略されている物理的な理由がよくわかる。金属ベルトのコマ数構成もデザインの相似性を示しており、唯一同じ寸法なのはリューズだけだ。

タングステン超硬合金のベゼルデザインが本製品の独自性を主張しており、反射の際にはサファイヤガラスの反射と一体になる。このことは他のデザインでも「RADO」の特徴で、ケースの輝きを究極まで追求している。

2026.03.22
★ コマ調整ができない時計バンドの不具合
コマ調整のない時計バンドの代表格は革製バンドだろう。筆者のように腕周り19cmだと、革製バンドはLサイズでないと、バンドの残りが2個の環に納まらない。そして、フリーサイズのメタルバンドは、バックル位置が手首の小指側に偏って常に違和感がある。現在そのような不具合のある時計が3本ほどあるが、そのうちの1本を今回交換しようと思う。

26024_bambi ということで、現在3本あるフリーサイズメタルバンドうちの1本はオリジナルなで、残りの2本のうち1本は一見コマの取り外しが不可のようだが、専用工具を用いれば可能な気がするので、最後の1本になるメッシュタイプを汎用のコマ外しが可能なメタルバンド(バンビ製)に交換しようと思う。

いつもながら、「バンビ製」は国産の腕時計の構造を知り尽くしているので、弓カン部分の2段階サイズ設定において、かゆいところに手が届く製品のラインナップ(先カン幅18mm、本体幅20mm)がある。しかもコストパフォーマンスに優れるのは昔から変わらない。

★ バンビ時計バンドが到着
筆者の手首回り19cmだと、コマを外さずにバックル止め位置の調整でこと足りる。そして、その堅牢性および精度(たれなし)と軽さにおいては、純正品と同等それ以上の品質だ。さすがにこのメーカーが各種国産腕時計の純正バンドの互換製品を時計店に卸しているだけのことはある。

以前にも記事にした記憶があるが、50年前にメーカー直売店の「バンビビル」に筆者の勤務先の会社が入居していたことがあり、時計バンドの交換では特別なサービスの恩恵を受けて以来このメーカーのファンだ。

・・・つづく(もどる)

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