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2026年5月26日 (火)

究極のスィープ運針:CITIZEN HISONIC(音叉時計)

07__20260525124901 26060_citizen-hisonic 1973年製の後期の製品になるが、[CITIZEN COSMOTORON]と並んでクォーツ式駆動時代への中継機種の中では、最も発売期間が短かったのがこの[CITIZEN HISONIC(音叉時計)]らしい。音叉式なので、まるで耳元で蚊が飛んでいるように「プ~ン」と鳴っている。

精度は日差5秒前後と電磁テンプ式と同程度なので、耐久性は別として高級機械式(8振動・10振動)と肩を並べるものと判断できる。そして、こちらも電池交換は約1年ということで、この消費電力の問題と生産原価の高さから、後のクォーツ式へと姿を変える運命にあった。

これらのクォーツ式駆動前の過渡期のムーブメントの締めくくりとして、真のスィープ運針(連続運針)の製品を見つけてきた。といっても電池交換、風防ガラス交換、ケースのスレ修正等の一手間を[日曜工房]を経て本日がその数週間後のレビューになる。

時計デザインそのものは、当時のシチズン製自動巻時計のオーソドックスなケースとレオパール等の風防ガラスの流用のようだが、唯一文字盤が生成り色のやや濃いベージュ掛かった仕上げが特徴的で、これのおかげで日焼けの劣化が現れない。

実際のところ秒針の動きの違いを除けば、[COSMOTORON]とこの[HISONIC]は非常によく似ている。風防ガラスとインデックスのデザインがほぼ同じなので、型番の違いほどの差しか感じ取れない。そして、HISONICステンレスバンドがフルコマで装着されていたのがありがたい。

クォーツ式掛け時計に見られる連続運針と同じような秒針の動きを見せるこの製品は、いかにも電気的と揶揄する意見もあるが、「時」とは刻むものではなく連続的に経過するという自然の摂理とは相性がよいと見るのが筆者の考え方だ。実際、グランドセイコーの最新ムーブメントである「スプリングドライブ」の動きだけを見るとそれは音叉時計と酷似している。

そして、4時位置のリューズタイプにしては標準サイズの大きさのリューズが出っ張っているそのスタイルの意味を考えてみた。電磁テンプ式やこの音叉式の電力消費が大きいことへの対策として、リューズを1段引くことでクォーツ式と違ってこれらの機種は電気的に駆動を停止させることができる。

当然ながらふたたび再駆動させたあとは時刻合わせが必須になるわけで、その際のリューズの操作性を考えると、この標準サイズは納得できるのと、時刻合わせの手間が省けるノンカレンダーの本製品が気に入った次第だ。おそらくノンカレンダー機種はかなり希少(貴重)だと思っている。

ところで、この種の内蔵電池の駆動期間は概ね1年間ほどだが、「COSMOTRON」の内蔵電池は「SR44SW(φ11.6mm×高さ5.4mm)」で、「ELNIX」の方は「SR43SW(φ11.6mm×高4.2mm」、「HISONIC」は「SR626SW(φ6.8mm×高2.6mm)とかなり小さい。やはり物理的にテンプを駆動させるエネルギーが消費電力を決定付けているようだ。

・・・つづく(もどる)

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