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2026年9月16日 (水)

1980年製オクタゴン(8角形)超硬ベセル

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あまり見かけないオクタゴン(8角形)ベゼル仕様だが、その材質が1970年代から流行した超硬金属(おそらくタングステン鋼)で、風防ガラスがサファイヤクリスタルと思う。

同様の仕様のものに、[1979年製 SEIKO Dolce]や[RADO DIASTAR]があるが、筆者はこの材質に大いに魅力を感じていた。そして、これらはいまだにケースおよび風防ガラスは完全無傷なので非常に心地よい。

ステンレス製のオクタゴンベゼルは、洒落てはいるが角のスレやキズが目立ちやすいのでなかなか手が出せないでいたが、[SEIKO Dolce]と同じ超硬金属でよく似た文字盤の色合いだったので思いきって入手した。

付属の純正SSバンドも悪くはないが、これはこれとしてやはり革製バンドにそのうちに交換しようと思う。しかし、意外なことに汎用の新品革製ベルトと本製品の価格がほとんど同じというオチだ。クォーツムーブメントは「ETA」に統合される前のもののようなので、これがいわゆる一流品ブランドではない汎用品メーカーのさがのようだ。

この種のメーカーはその後に搭載するムーブメントは、ほとんどが「ETA」かもしくは日本製「MIYOTA」になるようで、[SEIKO]や[CITIZEN]のような自社製品ではない。ちょうど、CASIO製アナログ時計が「MIYOTA」製ムーブメントを採用しているようなもので、それがどうしても低くみられるようだ。手元にあるものでは、[RADO]が「ETA製」、[SKAGEN]・[ICE WATCH]のムーブメントがそれぞれ「MIYOTA製」になる。従って、これも決して粗悪品ではない高品質の汎用品というところだ。

ただし、近年ここの製品はスイスの一流品のコピーデザインが目立ち、しかも西の大陸製造という身売り状態の典型のような印象を受けるので、かつてのメーカーの品格を見ることはできない。これが機械式からクォーツ式への変換期に生き残り戦略で脱落した典型的な時計メーカーの姿のような気がする。

★ ケース内部の手入れ
26113_technos 現在駆動している電池寿命が不明なため、新しいものに入れ替えるついでにケースおよび風防ガラスの手入れをしておく。裏蓋を開けてパッキンの状態を確認したが、交換を要する劣化状態だったので、これはすぐに注文しておいた。裏蓋をこじ開ける箇所に数多くのキズが残っているのは、電池交換の際にやや雑な作業をしたのだろうと思われる痕跡だ。

一方でベゼルのパッキンは問題ないようなのと、風防ガラスが異常に無傷なことから、これまでにガラス交換がなされたのかもしれない。

ムーブメントの脱着は文字盤側から行うワンピースタイプのような構造に気付くまでやや時間を要した。というのは、裏蓋側からムーブメントの固定状態を確認していると、クランプ2箇所のネジ止めが省略されているのがわかり、リューズを抜いた状態でベゼルを外すとそのことがわかった。その他の構造は予想の範囲内で、復元には何ら問題はないようだ。

サファイヤクリスタルガラスは接着仕様で、古い接着剤の透明感が劣化していたのでこれは付け直すのが良い。もしかして、交換の際の接着剤が適正なものを使用していなかった可能性もある。ベゼルのはめ込みも接着併用のようで、こちらも接触面の掃除にやや手間がかかった。文字盤は非常に美しく汚れや剥がれがないのは、ムーブメントの固定が表側からのためだと思う。

一般的に、文字盤側からのムーブメント脱着方式は、スペーサーが不要になるので固定精度が高い。ケースのリューズ穴とムーブメントの穴の位置関係にズレが生じにくいので気持ちが良い。とは言うものの、裏蓋の防水性能およびその耐久性と、風防ガラス交換の容易性と防水性能などは、SEIKO製にはおよそ及ばないことがわかる。

裏蓋のパッキンが到着するまでの間にケース側面のスレを修正して、ベゼルの輝きに相応した仕上げに整えてからムーブメントをケースに戻すことにしよう。

★ ケース本体もバンドも硬質金属
ベゼルが黄金色の超硬金属なのがこの製品の特徴だが、ケース本体も裏蓋を除いてシルバー(ステンレス色)の硬質金属だ。磁性が無いのでSUSの焼き入れ硬質のものではないようだ。一般のコンパウンドではカーボンの色落ち程度で、ダイヤモンドコンパウンドでなければ微細なスレやくもりを落とすことができなかった。打痕がほとんどないのはやはりこの高硬度のおかげだ。

最後にバンドだが、こちらを調べるとこの製品の経過年数が如実にわかる。目立つスレはないものの、ヘアライン仕上げの全体にうっすらと腐食のくもりが見受けられる。これからわかることは、経過年数と使用年数にかなり隔たりがあるようにも思える。裏蓋のメモ書きの数字から、一つ前の電池交換が15年前のように推測されるのがそれに符号する。

さて、バンドのくもりを除去しようとしてわかったのは、バンドおよび留め金具を含めてその素材も硬質金属だとわかった。これは同時代の「RADO製」よりも造りが凝っている。ケース側のつなぎ目でくもりが目立っている理由もわかった。バネ棒(ステンレス製)との長年の接触による異種金属の電食さびのようだ。

以上、パーツの取り外して清掃手入れをしてみて、1970年代から1980年代のこれに類するスイス時計メーカーの、当時の物造りの真剣さを実に懐かしく思う。それは国産品も含めて世界共通のメーカー意識だった気がする。バンドの画像は時系列的に前後するが、完全後の長さ調整をしたあとのもので、いつもながらオリジナルベルトの長さを無駄なく使用できている。ちなみに。バンドの上下はいつものように一般とは逆にしてある。
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★ TECNOS Brazon 完成
26121_tecnos-borazon 本日、裏蓋パッキンが到着したので早々に組立をおこない無事に整備が完了した。裏蓋はパッキンがずれないように慎重に圧入機で押さえると、”パチッ"と気持ちよく閉まった。そして腕に張り付くようなデザインが太めの手首によく似合う。

オリジナルバンドは革バンドに比べるとその重さが気になるところだが、ケースと共通した硬質金属なのと、ワイシャツの袖の中にも無理なく納まる薄さなので、当分はこのまま使用することにした。

1981年製と推測している本製品は、1979年製の「SEIKO Dolce」と同じ土俵の製品なので、国内での販売価格もおよそ想像がつく。そしてサファイヤガラスのエッジカットに手間を省いたところ以外は、「SEIKO Dolce」に劣るところは見当たらないのも事実だ。実に良いものを入手できたと思っている。

今回、この「TECNOS Brazon」が目に留まったのは、1981年頃の遠い記憶にこれを何かで見たのかもしれないと思ってきた。だからと言って「SEIKO Dolce」に不満を抱いたのではなく、当時の給料からしてあれもこれもを求めるような経済力がなかったことへの、ある種の納得を経験していたような気がしている。

26123_ というのは、これらの2つを並べてみてわかったことだが、上記のことの記憶を呼び起こすような不思議な印象を受けた。これは昨年の8月に入手した「CITIZEN QUARTZ」が、当時に「SEIKO Dolce」と比較した明瞭な記憶を呼び覚ましたのとよく似ている。

いずれにしても半世紀以上が経過しても、思い出の品を改めて手にすることができたとすれば、腕時計という工業製品は筆者の人生に少なからずの影響を及ぼしているアイテムであることは間違いない。

★ マスタード色の腕時計革バンド
マスタード色は身につけるファッションとしての筆者の好みだが、なかなかコーディネートが難しい。腕時計の革バンドでこのマスタードは極めて少ないが、たまたま見かけたタイムセール商品でこれを見つけたので、駄目元で注文してみた。

まず、色合いは商品画像のとおりでこのようなことは比較的めずらしい。従って、カラーは問題ないとして、素材ははたして革なのかどうかについてはなお怪しい。まあ、革風でも見た目に問題なければそれで良しとすのが、この手の商品を購入する際のお約束だ。

26124_ 装着した「CITIZEN LEOPARD SNOW」はこれまでホワイトの革バンドだったが、10月になればと思いこれを注文した次第だ。従って、ホワイトの方は冬か来年の夏まで休息というところだ。これまでのキャメル(らくだ色)とはまた違う色合いだが、先の記事にあるワイシャツともよく似合う。

安価な割りにはクイックリリースタイプなので、これも着せ替えの手間はほとんど皆無なのが良い。革バンドの留め金についてはDバックルを使い回すことで、色やデザインおよび材質にこだわることがなくなり、[BANBI製]のようなトータル品質の良いものをあえて選定することも少なくなってきた。

長らくこの「マスタード」を見つけられなかった理由もわかった。このカラーは「BVLGARI」等のレディースに採用されることが多く、一般的にはメンズではラインナップがない。実際、この商品もレディース用としての18mm幅のものだ。無論、長さは標準規格なのでメンズと同じ寸法になっている。

これで自動巻「CITIZEN LEOPARD SNOW」は53gになり、クォーツの「SEIKO Dolce」の43gに肉薄する薄型・軽量になっている。

2026.09.25
★ エプソンダイレクトからのお誘い
26125_ 仕事場のPCは長年「エプソンダイレクト」で調達している。コストパフォーマンスがどうこうと言うよりも、安定性とサポート体制のことを考えると、業務用としてはそれなりのメリットがあると思っている。

ここからの定期的なメールは受信するようにしているが、今回は関連のオリエント時計からのお誘いの連絡がきた。まあ、ユーザー登録をしているから何の不思議もないことだが、どのようなものかとカタログを見るくらいの時間つぶしはするという筆者のことをよく見抜いていると思う。

フラッグシップのスケルトン製品をみて、さすがに今さらスケルトンとは思ったが、やはりこのメーカーが考えるスケルトンはこれまでの常識を覆えすだけのものがある。機械式で日差+10秒から-4秒、パワーリザーブが72時間以上という性能に加えて、保証期間中の3回の無償オーバーホールサービスが付く。当然ながらお値段もそれなりということだが、商品の販売戦略も1970年代に各社がしのぎを削っていた頃とは大きく変わったものだ。

★ カバンの中の懐中時計
外出時のカバンの内ポケットに忍ばせている時計店の在庫品だった小ぶりの「懐中時計」は、純正のチェーンでスレキズが付かないように、組紐やかつての携帯電話に付属していたストラップを付けて固定している。組紐は劣化が進行したり、ストラップは長さが適当でなかったりで、今一つしっくりとこない状態が続いていたところ、セイコー製の海中時計用の純正組紐を見つけた。

どうも鉄道時計用の交換パーツのようで、やや無骨な太さのように見受けられるが、耐久性についてはかなりの信頼性がありそうなのでとりあえず注文した次第だ。到着は来週になるので、現物を確認しないと何とも評価がし難い。

★ 懐中時計の電池寿命の予兆
26126_ 上記の懐中時計の組紐の到着準備でストラップを外して外装の手入れをいていたら、半日前に合わせた時刻が数分ずれている。時刻合わせに勘違いがあったかと思い再度時刻合わせを行ったところ1時間で数秒も遅れる。症状としては電池残量の不足だが、購入したのは今年だったので不審に思いながら裏蓋を開けると電池の刻印が「23」で、あの時計店の親父は電池を入れ替えていなかったことが判明。確かに「電池交換済み」とは表示されていなかったが、「在庫品整理で動作確認済み」と聞くとつい早合点してしまう。

「23」とは一般的には「2022年3月」もしくは「2023年2月」ということらしい。いずれにしても電池の寿命切れは確定だ。型番SR726SWは在庫がなかったので注文したが、到着したらゴムパッキンのグリスアップも行っておく。

★ 電池残量は問題なし
電池の製造年は確かに前述のとおりだが保持電圧を測定すると1.53Vで問題なし。やはり、時計店の親父は新品の電池をいれてくれていた。それではなぜ急に遅れを生じたのか。磁気抜きをして、電池端子の絶縁処理を補強して再び裏蓋を圧入機で閉めて一日が経過したが、動作は正常に戻っている。これと言った原因を特定できないまま様子見が続く。あとは組紐が到着するのを待つのみだ。

2026.09.26
★ 9面カット風防ガラスの非日常屈折像
26127_ 9面カットのハードレックス風防ガラスを備える[SEIKO LOADMATIC Special]だが、普通ではない角度から文字盤を見たときに見つけた光の屈折像だ。像の理屈は説明できないが、直交するプリズム透過光が干渉しあった結果みたいなものだ。

なぜこのような角度で時計を眺めたかについてだが、取替えた風防ガラスはセイコー純正品のしかも当時ものというビンテージガラスだったので、ガラスの劣化等の可能性があるとの「但し書き」があったことを思い出して、カット面を再研磨したあとのことだった。

カットのエッジをなめないように慎重に数時間をかけて磨き上げた結果を確認していたときのことで、結果として透明感が各段に良くなった。それは反射光のスペクトル分解の虹色が発色するようになったことでも明らかで、おそらくこれが本来の輝きだと思う。

ちなみに、直角に並んだ連続する四角は実像ではなく、ガラス内部で光線が干渉してできた屈折像でそこに文字盤が透過された結果だが、はじめて見えた時は目を疑った。

・・・つづく(もどる)

2026年7月21日 (火)

変わり文字盤

02__20260714212501 26089_gs ヴィンテージ腕時計の文字盤はホワイトかシルバーのヘアライン仕上げがほとんどだが、筆者は無反射のホワイトやランダムに輝くスノーホワイトおよびパールホワイトが好みだ。

手持ち品の中にはネービーやブラックと生成りおよびゴールドもあるが、手が届かないもので以前からどうも気になっていたのが、グランドセイコーの「白樺」文字盤だ。

ところが、あの「白樺」の雰囲気をわずかに思い起こさせる文字盤が細君用だが本人はあまり好みではないらしい「セイコー自動巻」にみることができる。カットガラスとも相まって美しいデザインだと思っているのは筆者だけだが、この雰囲気の文字盤は「ドルチェ」や「シチズンCQ」と先月入手したシチズンの「スノーホワイト」にも共通性がある。

しかし、「白樺」とは彫りの深さで根本的な文字盤の造りがまったく異なるようで、かなり独創的なデザインだと長らく思っていた。ところが今回、1974年製のシチズン「コスモトロン」を見たときに、「白樺」の原型のような文字盤がどうしても気になって購入してみた。

26091a_ 電池切れの廃棄品価格で、もとより文字盤を直接確認したかっただけだが、電池交換で運良く稼働し始めたので外装に少し手を加えて見栄えを良くしてみたら、一応彫り込みの刃の跡が見てとれる縦向きの模様はまさに「白樺」の原型ではないかと疑うばかりだ。

この半世紀前のデザインで現在もその輝きが褪せずに残っていたようで、その斬新さは好みが分かれるところだったと想像するが、今これを稼働状態で手にすると当時のシチズン製品に不思議な感動を覚える。

ただし、「白樺」のように大胆な切削仕上がりではなく、光沢のある筋彫りのようでそのあたりはコストとのせめぎ合いの結果と思う。このような文字盤表面は劣化やくもりへの耐久性が懸念されるためか、表面にはクリアー塗装が施されているようなので、ほこり落としは溶剤を一切使用せずに純水の湿気でほぼ空拭きで済ませておいた。

文字盤の反射とクリスタルガラス風防(今回交換)の華やかさがメンズの実用性を超越しているように思える。ベルトは夏らしく革製ホワイトを装着してみたが、マット仕上げのステンレスでも良い気がするので、そのうちにあれこれ試してみようと思う。

文字盤のデザインに意匠権があるとは思えないので、2社の考え方をどうこう論じる気はないが、ひとえに当時のシチズン製品の魅力を再発見した次第だ。以前の記事でも述べたが、1970年代前半の電磁テンプ時計は、「シチズンコスモトロン」と「セイコーエルニックス」だが、前者はテンプ駆動10振動で秒針は5振動、後者はテンプおよび秒針ともに8振動という違いがある。

見た目は当然ながら後者の8振動がいかにも高級機の雰囲気があるものの、見えない内部でテンプが10振動で稼働している前者の機構の設計意図がいったい何だったのかをあれこれ想像すると、2つの時計を眺めながらついつい時の経つのをわすれてしまう。

2026.07.29
★ 1975年製の「後期COSMOTRON」のカットガラス版
26092_ 風防ガラスをカット加工したものは、フラット型やカーブ型に比べてカットのエッジがどうしても傷つきやすい。従って、手元にあるカットガラスの製品は、[SEIKO LARDMATIC Special]の一つだけだが、これも風防ガラスは新品に交換している。

好んでカットガラスの製品を求めていたわけではないが、たまたま「後期COSMOTRON」の極めて程度の良いものを見つけたので、永久保存版として入手してみた。オリジナルベルトも腕周りが19cmあったので、めずらしくそのまま装着が可能だったのはうれしい。

風防ガラスはもちろん、ケース・ベルトもほとんど無傷なのと、長らく電池が抜かれていたらしいことから、どう考えてもコレクション品の様相が強い。実際に到着した製品を確認したところ、裏蓋の擦れ具合からも極めて浅い使用歴であることがわかった。

1972年製のセイコー9面カットガラスとこの5面カットガラスを比べると、こちらの方が文字盤が見やすく反射が上品だ。しかも、ガラスの透明感も優れている気がするのは、やはり「クリスタル」という商標がもつ品質の高さなのだろう。そしてこのクリスタルガラスだが、筆者の知る限りもっとも硬度が高い。おそらくサファイヤガラスの次のような気がする。

2026.07.31
★ 好みのいわゆる「バングルウォッチ」
26093_citizen-xc 一般的なブレスレットウォッチは留め具が明瞭なものを差し、留め具が省略されているもしくは簡略化されているものをバングルウォッチと呼ぶらしい。

さて、画像の[CITIZEN xC(クロッシー)レディース]はベルト通しのような金具が付くが、メーカーサイドでは「バングルウォッチ」として販売されたものだ。このベルト風留め具は装着時の確実性と調整の容易性で優れた構造だと思うが、使用に伴いベルト裏側の一部に「スレ」が発生するデメリットもある。

このあたりは適切なメンテナンスを行えば問題はないと思うが、一般的には劣化が早いデザインだと判断される可能性が高い。風防ガラスはクリスタルカット3曲面仕様で、文字盤は黒に近い濃紺なので、ガラスの反射がひときわ美しい。

そして、ケースおよびバンドのステンレススチールおよびクリスタルガラスともに、高硬度の材質のものが使用されているのは、さすがにヴィンテージものにはない時代の進化を感じる。

1990年から1999年まで販売された中の、これは1998年製の28年前のクォーツ駆動の製品だが、市場での品数は多く幅広い価格帯で買い求めることが可能だ。そのような数ある中から、使用感の少ないスレのない極めて美しい商品を探してきた。いわゆる「新品同様」といったところだが、50年以上前の筆者のメンズクォーツも見た目はほぼ新品同様なのでめずらしいものではない。

実際の製品を手にしてみると、鏡面やマット仕上げ部分の顕微鏡確認レベルのスレをとっておけば、完全無傷の外装に仕上がると思う。作業はお盆休みの楽しみにしておこう。手入れが整えば使用者の有無はともかく、純粋な魅力ある飾り物と考えているのは、おそらく家族の誰も気にも止めない雑貨のようなものだから。

2026.08.07
★ 仕上げ調整完了
26095_ ルーペ確認できるスレはすべて消し込んだ。クリスタル風防ガラスは無傷なので、仕上がりはほぼ新品同様になったが、仕上げの写真比較は難しいところがあるので、カタログ写真を追加してみる。

まだ家族に見つかっていないが、裏蓋と表面ステンレス部分にブルーの保護シールを貼って保管してあるので、次回の電池交換までそっとしておこう。このデザインはおそらく「gucci」のバングルウォッチを和風におとなしくアレンジして、シチズンらしくクリスタルガラスにこだわったものだと思う。

その意味ではバングルデザインよりも時計機能を優先した保守的な仕上がりで、それ故に野暮なデザインともとれる。いずれにしても、昨今の製品にはない高次元の遊び心がうかがえる秀逸品だと思っている。

ステンレス外装は使用に伴うスレが必ず発生するが、それはメンテナンスで何とかなるが、打痕は修正がほぼ不可能だ。従って、このような無傷ならこその製品は使用する「場」を考えて装着する必要がある。だからこそ、当分は時計ケース内に納まっているのが無難な気がする。

2026.08.08
★ 後期最終 SEIKO ELNIX SG
26096_seiko-elnix-sg 1974年製のおそらく最終型番のシリーズと思われる[SEIKO ELNIX SG 0723-7000]の文字盤が一風変わっている。虹色のグラデーション処理が施されており、ベゼル一体型の風防ガラスの縁取りデザインもいわゆるヴィンテージの雰囲気を脱して洗練された感がある。

運良く未使用の風防ガラスも入手できたので、組み付け後の仕上がり具合は極めて美しい。風防ガラスリングがベゼルと一体型なので、はめ込み時にガラスを割らないようにしなければならない。その意味でガラスの飛び出し量が極めて低くなっているように思う。

手元にあるビンテージもの文字盤の中では、ひときわ立体的なインデックスデザインで、筆者の好みからはやや離れるものの、長針と秒針がインデックスの上を動くことでまだ納得できる。最悪はすべての針がインデックスの内側を動くデザインで、こればかりはいただけない。

★ ベゼル一体型風防ガラスは勘違い
後書きになるが、交換用風防ガラスのセットに、ガラス・パッキン・およびベゼルが組み付けて梱包されていたので、一体型と勘違いをした。なお、ベゼルは表からは外せない切り込みがないタイプで、ムーブメント・文字盤を外して内側から押して外すようになっている。組み付けはその逆の手順で行う。

26097_seiko-elnix-sg しかし、圧入時にガラスを割る危険があるので、面倒だが風防ガラスをはずしてベゼルを先に圧入してから、手押しで風防ガラスを押し込むというやや面倒だが安全性の高い方法で風防ガラスの交換作業を行っている。

ケースのスレも完全に除去しておいたので、画像のようにほぼ新品の様相を呈しているのと、めずらしく19cmで使用可能な美しいオリジナルバンドが付属していたので、しばらくそのまま使用してみるがそのうちに適当な革バンドを探そうと思う。

★ SEIKO HARDLEX も美しい
風防ガラスは CITIZEN CRITAL が好みなのは、そのエッジカットからの反射光が意図的にスペクトル分解するようにやや大胆に研磨されているからだ。それに比べて SEIKO HARDLEX のエッジカットはややおとなしいのが一般的だが、本製品の交換風防ガラスセットは、社外品のためシチズン並みのエッジカットが目立つ。

文字盤が反射率が高い仕上げなのと、やや大きめの立体的なインデックスと太めの針の反射も強いことから、文字盤全体の輝きがひときわ美しく、バンドのデザインも良くマッチしている。そのせいかヴィンテージの雰囲気がやや希薄になった感がある。

2026.08.13
★ 革バンドはやはり心地よい
26098_seiko-elnix-sg 耐久性を考えるとSSバンドにかなうものはないが、軽さという点では革バンドに勝るものはない。使い慣れたこともあるが、2日間ほど純正のSSバンドを装着してみたがやはりその重さがどうしても気になる。

時計本体とほぼ同じ重さのSSバンド46gを装着したときの重さが96gになる。一方でDバックル革バンド18gを装着した状態での時計の重さは68gなので、これはかなりの違いを感じる。

手元にオードドックスな黒の革ベルトの予備があったので、これに付け替えてお盆らしいフォーマル仕様になったが、黒色のバンドはCASIO製の樹脂バンド以外には他にないのは単なる好みの結果だ。今回の場合には大ぶりで造形的なケースの輝きが目立つため、これでもかというくらいのSSバンドよりも、徹底的に落ち着いた黒が似合っている気もする。

数週間稼働させてから歩度調整を試みる予定だったが、現在のところ実装状態で日差+5秒という高精度で動いている。これは電磁テンプの中でもっとも精度が高く、年式が新しいことのせいもあるのかもしれない。

・・・つづく(もどる)

2026年7月11日 (土)

万年筆インクボトル

02__20260711170101 26086_ 筆記用具の中でデスクワークで使用頻度の高い品は、使い捨て万年筆の「PLATINUM PREPPY」でかれこれ20年以上になり、常にストックが5~6本はある。これのおかげでそれまで使用していた「MONTBLANC MEISTERSTUCK No.149 14K 585」は最後の整備に出してから大切に保管したままだったが、思い立ってまた手にすることにした。

純正インクはまだボトルに残っているが、これを使用しつつ最新の製品をみていたら、とんでもなく価格が上昇していて驚いた。もっとも、純正の「ロイヤルブルー」は唯一無二の発色でそれなりの価値はあるものの、昨今では「黒」が一般的になってきたので、黒のコントラストがもっとも似通っている「PLATINUM製」のボトルを購入することにした。

モンブラン製ボトルに比べて合理的な構造のように見受けられるのと、納得の価格なので試しに注文した次第だが、もとより「PLATINUM PREPPY」のカートリッジインクと同様だと思うと、ほぼ問題ないと判断した。

ちなみに、「PLATINUM PREPPY」は本体およびインクカートリッジはともに日本製でこれまで20年間使用しつづけられている理由もこれにあるような気がするが、前述のモンブラン万年筆は特殊なペン先により、独特のフォントが描ける仕様になっており、購入当時の45年前には日本製万年筆には見当たらなかったものだ。

・・・つづく(もどる)






2026年6月 4日 (木)

夏こそ「ICE WATCH」かも

02__20260604133301 26063_ice-watch 昨年の10月に冬用として購入したファッション時計の[ICE WATCH]だが、最近のことで、時計の棚にあるこれを細君が手にとって、夏に良さそうだと言ったのを聞いて、なるほどそういう感覚もまんざらではないと思った。

ということで、これのカレンダーなしのレディース版(販売終了品)の在庫処分品を「楽天市場」で探してきて本日注文した次第だ。手元のメンズと同様に数千円で楽しめるファッション時計だが、デザイン・販売がベルギー製で、ムーブメントは日本製(ミヨタ)になる信頼出来る商品だ。定期的に中性洗剤で洗うことを怠らなければ「白」が黄ばむこともない。

★ 思い出した買い物
[ICE WATCH]とはまったく関係ないが、樹脂製のケースを触っていて思い出したのが、[CASIO レジャー時計]の裏蓋ネジが錆びていたことだ。簡易なタイドグラフが付属しているムーンフェイズ時計だが、互換ネジが販売されていたので早々に取り寄せて交換した次第だ。これで次回の電池交換の時には気持ちよく裏蓋が開けられると思う。
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どうも、この種の裏蓋を樹脂ケースにネジで留めるタイプのカシオ製腕時計では、定期的にネジを交換するかメンテナンスが必要らしく、それを怠ると最悪の場合にはケースの中で折れたネジが残留することになるらしい。

しかし、昔使用していた[プロトレック]は30年間なにも気にせず過ごしてきた記憶があるが、使用環境の違いのせいかもしれない。

2026.06.06
★ GAR GRIP(第一精工製)
26065_gar-grip 定番もののフィッシンググリップの商品名だが、そこそこの価格で高品質の魚つかみであることがわかった。息子が成人してからは長らく釣りに出かけることもなくなったが、日本製の海道具はとにかく品質第一の精神が見え隠れするのが好ましい。

実は今朝の海岸散歩で拾得したものだが、ほとんど未使用なので是非とも落とし主のもとへ返したいと思っている。海岸付近の管理者は都道府県の港湾局で、関係部署へ筆者も出入りしているが、そこでは一般的に拾得物は扱わない。

海岸背後の公園管理者は同じく都道府県の土木事務所で、こちらも面識があるものの、公園内ではないために、持ち込んだ先の部署が快く思わないのもおよそ想像がつく。

地域の交番もしくは警察署についても、交番連絡会議などで生活環境課へは時折出向くものの、釣り道具の一つくらいをわざわざ届けて書類作成の手間をとらせるのもどうかとも勝手に考えている。

ということで、本品はおそらく本日早朝に置き忘れたものと思われるので、明日を含めて毎週末の早朝にこれを持って落とし主の捜索のために、しばらくは海岸コースの散歩を続けようかと考えている。

そう思うのは、これまでにも週末の早朝には、ファッションスタイルと道具から入るタイプの釣り人を定期的に見かけている。本当に釣果を狙う釣り人はまずこの海岸には来ない。というのも、ここ数日の早朝は潮位が高く釣りには適さないし、この場所は埋め立て地に挟まれた運河に近い海域で、いわゆる魚の回遊するところではないからだ。

2026.06.08
この2日間、落とし主に遭遇しない。

・・・つづく(もどる)

2026年3月31日 (火)

CITIZEN SEVEN STAR DELUXE:クリスタルセブンの面影

02__20260329144901 26026_citizen-seven-star-dx 1960年代後半から1970年代にかけて筆者が高校生の頃、シチズン製腕時計と言えば[CRISTAL SEVEN]で、クリスタルガラス製のエッジカット風防の美しさへのあこがれは、あれ以来筆者の脳裏から消え去ることはない。

この歳になってヴィンテージ腕時計にこだわるその源流はこれにあると言っても過言ではないが、程度が良く適正な価格の[CRISTAL SEVEN]を見つけることが容易ではないのも事実だ。

視点を替えて同時期のもう一つのブランドである「SEVEN STAR」を気にかけていると、偶然にもクリスタル製のエッジカットガラス風防を備えた、[SEVEN STAR DELUXE]の出物を見つけた。SEIKO製品では高校生をターゲットにした[SEIKO 5 ACTUS]と社会人向けの[SEIKO ROADMATIC]に対抗するのがおそらく[CRISTAL SEVEN]と[SEVEN STAR]のような気がするのは、それぞれの後継がともにハイビート(28,800振動)の高級機をラインナップさせていたことからの推測だ。

本製品は1971年からの販売で18,000/21,600振動の5/6ビートモデルで、入手したのは低振動版の方になる。おそらく稼働時間は経過年数とは別物の保管品のような気がする。風防のクリスタルガラスのカットデザインは[CRISTAL SEVEN]と酷似しており、その面影を存分に感じ取れるところが良い。文字盤・裏蓋の「セブン」の数字をロゴ化しているあたりも紛らわしいほどだ。付属のステンレスハンドはバンビ製で腕周りが珍しくMax19cmなのでそのまま使用することにした。

この当時はまだ「サファイヤガラス」登場していなかったことから、最も透明度の高い風防はこのクリスタルガラスになる。この大胆なエッジカットが非常に印象的で、特に屋外で太陽光のスペクトル分解の虹色を発した時の美しさは格別だ。

このエッジデザインは当時の[SEIKO 5 ACTUS]のハードレックス風防とほぼ同じだが、光の屈折角は微妙に違うように思う。とにかく、気持ちだけはかつての憧れであった[CRISTAL SEVEN]を入手できた感動に浸っている。

一応点検の意味で裏蓋を開けて、ムーブメントを文字盤ごと外して清掃を行ったが、文字盤インデックスの外周がケースに別置きされた造形的な構造であることがわかった。不用意にこれまで外すとダイヤルが欠損しそうなので、ガラス風防のふところを入念にブローしておいた。

タイムグラファーによる精度確認と歩度調整だが、ビートエラーと歩度調整で日差+10秒まで追い込むことができたが、振れ角が若干狭くなっているような気がする。おそらく、ゼンマイ動力系の歯車の汚れが蓄積しているようだが、全巻で2日ほど駆動するのでしばらくは様子見というところだ。

2026.04.19
★ 姿勢差精度のばらつき
前回の歩度調整から2週間が経過して、平置き(時計本体は背面)と、日常活動の姿勢(文字盤が上か、6時方向が上)では大きなズレがでるようだ。そこで、これを基準に再調整を行うが平置きとは誤差のズレが100秒程度ある。姿勢差が大きいことはオーバーホールの必要性が懸念されるが、テンプ回りに注油を施してふたたび様子見というところだ。

★ 秒針ハック機能がない
故障ではなく、リューズを2段引いても秒針が停止しない。この頃のモデルにはこれのように秒針のハック機能がない機種があるらしい。もとより、時報に秒針を合わせるという行為は非日常だったのかもしれない。電話で時刻を確認するにも電話料金が発生するわけで、日差許容±45秒程度の精度であれば、これも致し方ないことか。しかし、着け心地というか、風防のクリスタルガラスの輝きと文字盤の反射の具合は、ほとんど「CRISTAL SEVEN」なのでそれはそれなりに満足している。

2026.04.27
★ 秒針を外してみる
26036a_sevev-star 秒針のハック機能がないと、秒単位の時刻合わせが事実上できない。唯一、ゼンマイがほどけて止まった時のみ秒針の時刻合わせができるという不便があるのだが、クォーツムーブメントへの切り替わる1971年の頃には、秒針の時刻合わせをそれほど重要視していなかったとすれば、時刻合わせは分針のみの目見当で行うのも現実的だ。

同じ頃のシチズン製レディース自動巻8ビート(28,800振動)も手元で確認すると、これも秒針ハック機能がない。ならば、秒針を外して2針にしておけばすっきりするかもと考えた。

2針で2週間ほど使用してみたが、初日の違和感を通り過ぎるとまんざらでもない。稼働していることの確認時期はすでに過ぎているので、秒針に対するその不安は全くない。現在は日差+15秒ほどだが、時刻合わせが以前ほど気にならなくなり、むしろ2針の良さを感じるまでになってきた。

ただし、タイムグラファーでこのムーブメントの日差特性を把握しているからであり、やはりこの種のメンズ時計の2針化は一般的な話ではない。ところが、しばらく2針で使用していたところ、1日・2日放置してしまうと、時計を手にとってぱっと見では動いているのか止まっているのかがわからない不自由がある。

26040_ 2026.05.06
やはり3針に戻して、アバウトな分針だけの時刻合わせに納得した。このような秒針ハックのない、やや古めのヴィンテージ自動巻腕時計の場合、その年代の使い勝手に依るのが最も自然だということを再認識した。これより5・6年するとクォーツ式との競合の中で、機械式自動巻でも秒針ハック、ワンプッシュ秒針0時帰還機能など、時刻合わせに秒精度を気にする時代が訪れるようだ。

最後に、クリスタル風防ガラスのエッジ研磨加工の甘さを手磨きで修正してスペクトル色分解能を高めた。これで1970年代の強烈な感動をよりリアルに再現できたように思う。150°の範囲でエッジのスペクトル分解が見られるのは、シチズン製クリスタルガラスのみで、他の高級ガラス(ハードレックスやサファイヤガラス)では再現できないいわゆるヴィンテージシチズンの趣だ。

2026.06.30
★ 6ビートの「7200系キャリパー」
5ビート18,000/時の「SEVEN STAR DELUX」の精度は特に姿勢差が大きいのはムーブメントの劣化が主な原因だと思うが、ビートエラー値を常に0.5以下に維持するのが難しいのは、低振動の宿命のような気がする。

26081_citizen-seven-star-v2 「SEVEN STAR DELUX」の後継機種になる[SEVEN STAR V2]になると、振動数は6ビート 21,600/時で日差精度も若干向上するように思う。今回、このムーブメントを入手したので文字版ごと入れ替えてみることにした。

初期のV2製品なのでハック機能は依然として搭載されていないが、歩度調整を済ませると、日差+8秒、ビートエラー0.3まで平置き精度を追い込むことができた。これで、他の自動巻腕時計とほとんど同等の性能になった。

振り角は200°オーバー程度で少し元気がないが、テンプの注油措置の結果を後日確認して、改善されているようであればこの先は当分安心できると思う。

つづく(もどる)

2025年10月 8日 (水)

道楽のひと品:1972年製の[SEIKO LORD MATIC Special 5206-6110 第二精工舎(亀戸)]

02__20251006003201 250117_ 1970年製[SEIKO 5 ACTUS]の予備機を探して、先日1974年製の同機種を無事入手できたわけだが、一方で、予備の代替え手段としてもくろんでいた、1972年製の[SEIKO LORD MATIC]も運良く手元にくることになった。

こちらは同じ買うならばより完成度の高い魅力あるものとして気になっていたもので、第二精工舎(亀戸)としては、キングセイコーの下位クラスで、汎用品では名機と謳われた製品になる。

それは「Special」の名が示すように、Beat Rate:28,800bph で、1秒間を8ビードで刻む当時としてはキングセイコー5621系と同じくハイビートになる。風防ガラスも内側を凹面加工した無反射処理が施された高級品が使用されている。

ハイビートはその分だけ日差精度が向上する。1990年代前半まで、標準的な振動数は21,600bph(6ビート/秒)だった。従って、28,800bphはハイビートに分類されていたが、今ではクロノグラフの36,000bph(10ビート/秒)でない限り一般的な振動数になっている。ただし、現在でもロービートの21,600bphは耐久性のメリットから、まだまだ現役の性能を有している。

筆者が高校生の頃の記憶では、この「ハイビート」は腕時計の価格感覚では一般的なものに比べて2倍ほど高価だったので、いわゆる高嶺の花に相当する大人の持ち物という印象が強かった。そもそも、ビートレートが上がると駆動部分の劣化が早まることで、メンテナンス間隔が短くなるらしいのは、とても高校生向きの腕時計ではないのと、そこまでの日差精度を求める意味がない。

現在ではクォーツ駆動で安価に日差精度が確保できるわけで、あえて機械式で日差精度をより高くするためにメンテナンスが増えるのも不合理な話のような気もする。耐久性と日差精度は相反する機械式の宿命の中で、最近購入したオープンハートの時計を含めて、今回の[SEIKO LORD MATIC Special ]以外はすべてロービートの21,600bphなのは、それなりの筆者感覚の妥当性の結果だ。

手にしてまだ数日だが、ケースのステンレス鋼の硬度が[SEIKO 5 ACTUS]とは全く違う。いわゆる鏡面の仕上がり具合に美しさがみなぎっている。そして自動巻の振動音がさらに軽くなっており、完成度の高さが実感出来る。やはり高校生用の腕時計ではないことがよくわかる。日付・曜日が午前0時で同時に瞬時に変わるのもよくできている。

こうなると、今回の件で1970年代の思い出の自動巻腕時計を探していた趣旨が完全に崩壊して単なるコレクターの話になる。言い訳としはあくまでも1974年製の[SEIKO 5 ACTUS]が入手できなかった時の選択肢だったが、結果的には必要姓からは遠のいた道楽品のひとつになってしまった。しかも、この型番のほとんどはカラー文字盤や多面カットガラスの製品が全盛の頃なので、ホワイト文字盤の良品は比較的少ない。これが吉とでるかどうかの判断には今しばらくの試用期間を要する。

なお、付属のSSバンドは珍しく腕周り20cmのフルサイズだったが、これは取り置きすることにして、手持ちでお気に入りのメッシュ風軽量バンドに交換してみた。これで1970年代の機械式腕時計のお気に入り記事も概ね終焉を迎えた気がする。あとは日々楽しみながら時にはメンテナンスを行って、駆動状態を維持し続けることだけだ。

★ 裏蓋でもおおよその程度がわかる
250118_ 裏蓋のシリアルNo.から1972年製であることが確認できる。そして蓋表面の痛み具合から使用の頻度もおおよそ見当が付く。53年前の製品にしては裏蓋がきれいだ。表のケースや風防ガラスは経過年数相応のいたみが見受けられるものの、ある程度の修復は可能な程度だ。

そして、この裏蓋の状況を重ね合わせると、比較的短い期間にやや粗雑な扱いで使用されたのち、ほとんど保管状態だったのではないかと想像している。オープナーが到着したら、中のムーブメントを確認してみようと思うが、おそらく一度もメンテナンス(分解整備)が行われていない可能性が高い。

平置きで日差+10秒程度で調整は不要かと思うので、ご機嫌をうかがいながら丁寧に使用しつづけるのが得策のようだ。この結果をもって、程度の良い品と判断できるかどうか、今後は自動巻き上げ機での連続稼働状態も確認してみようと思う。

★ 裏蓋外し固定台
今のところ腕時計の裏蓋を外す予定はない。機械式自動巻腕時計の何本かはムーブメントの歩度調整をして日差10秒以内に収めたい気もするが、素人知識で調整限界に牴触すると取り返しがつかないのでそのままでよい。

250119_ ただし、ベゼルやケースのスレを修復したり、風防ガラスを磨く際に、ケース本体をしっかりと固定しておきたいために、表向き・裏向きの両方で問題の無い留めピン形状で堅牢なものを探して買い求めた。とにかく安定度がよく固定トルク感が明確にわかる構造のものでこれならば安心して固定台上で磨き作業が行える。

よくあるプラスチック製のチョウネジで締め付ける簡易なタイプと違い、上向きの場合にもベルトが邪魔にならず固定台を安定させることができる。

ただし、チャイナクオリティらしくダイヤル側の軸受け(単なる穴)の遊びが目立つので、スリーブを挿入すると格段に動作性能が向上して、お値段以上の品質を備える工具になった。これに[SEIKO LORD MATIC]を固定して、風防ガラスのキズ補修を毎日数十分ほど行っており、今では肉眼で目立つキズはほとんど消えた。

★ 予備の自動巻き上げ機(ツイン)
現在手元にあるシングル駆動で2台の腕時計が装着できる2015年製の自動巻き上げ機だが、聞250120_ くところによると、4~5年で駆動装置が壊れるらしい。先日ベルト交換を行ったので当分は大丈夫だと信じ切っているが、2台の腕時計をシングル駆動で回転させるのは、構造内部を知るとどうも負荷が大きいような気がする。

そこで、予備機としてもう一台の自動巻き上げ機を探していたら、ほぼ同じ年代で同じ機能の製品で、ツイン駆動でむき出しタイプのものが投げ売りされていた。ディスプレイ要素が全くないので買い手が付かないのか、送料の半値で入手することができた。

本来はアクリルカバーが付いていたのかと思ったが、どうも製品としてもとよりむき出し状態のようで、これはこれで日々の利便性を考慮した実用品ではないかと想像している。特記すべきは、駆動装置・操作スイッチ類および回路の基板もすべてが独立して2連になっているところだ。早い話がシングル駆動の製品パーツを2組収納したようなものだ。

手持ちの機械式腕時計は、あえて自動巻き上げ機に装着する必要のないものまで含めると合計で4個あるので、巻き上げるかどうかを選択判断できるこのタイプがあれば便利かもしれないと思い入手した次第だ。

モーターがギアボックスに直接かみ合っているため、ベルト駆動のような静粛性がないのが少し残念だが、ギアボックスのグリスアップを行っておいたのと、ベルト切れの心配がないので当分の間は故障知らずで安心できると思う。

2025.10.17
★ 交換用セイコー純正風防ガラス
250121_-285v-15gc 1972年製の[SEIKO LORD MATIC Special 5206-6110 第二精工舎(亀戸)]が届いた時に、もっとも気になった点は、風防ガラスのキズおよび欠けで、とりあえず目視では目立たない程度に磨きの修復を行っておいた。ところが2台ある[SEIKO 5 ACTUS]は風防ガラスがいずれも交換済みのきれいな状態なので、この[SEIKO LORD MATIC]の特にエッジの欠けがどうしても気になる。

そこで当時ものの在庫品を探したが、どうしても類似型番ものしかない。「SEIKO 純正風防ガラス 285V 15GC」は5206-6100適用らしいが、5206-6110に装着できるかどうかの確認知識が筆者にはない。

この型番の風防ガラスは、キングセイコーとロードマチックスペシャルとで共用になっているようで、これは[SEIKO 5 ACTUS 25石 諏訪精工舎製]もキングセイコーと共用なのと同じことから、風防ガラスの装着寸法にはある程度の共通性があるものと期待している。

やはり上位機種はそれなりに風防ガラス一つとってもそれ用のものが使われているようだ。ただし、風防ガラスは見た目の第一印象でもっとも重要だから、ここで差別化をはかるのはなんとなくわかる。

さて、自前で風防ガラスを交換するとなると、コジアケ道具と蓋閉め器具が必要になるのと、汎用の防水パッキンを準備する必要がある。しかし、この防水パッキンがさらに入手困難のようで、さてどうしたものかと思案中だ。

★ 届いた型番の風防ガラスと想像イメージが違う気がする
画像から見て取れるように、周面エッジカットを施したリング付きの品と思っているが、どうも「5206-6100」と「5206-6110」の明確な違いがあるようだ。それはパッケージのビニール越しでの感触からだが、念のために開封しないでカット形状をあれこれ推測している。その理由はリング左下にある1mm程度の切り欠きの存在だ。これが何を意味するかは、風防ガラス交換用工具が届いた段階で開封して明らかにしようと思う。

どうも、「5206-6110」用の純正風防ガラスの型番は、「285V 03GN」であることがわかった。リングの外径がφ28.50mmであることは共通しているが、リングの断面形状がどうかまではわからない。購入した「285V 15GC」を開封すべきかどうか迷うところだが、Oリングの揃っていないこともあり、しばらくは工具を含めての準備が整うまで開封は先送りになる。

★ 285V 15GC のカット形状
250126a_285v-15gc_9 手元にある未開封のセイコー純正風防ガラス「285V 15GC」だが、どうもこれが純正として設定されている機種の一つは、「5206-6100」であることが確認できた。そしてそのカット形状は9面のようだ。従って、「5206-6110」への適合および風防ガラスを開封するかどうかの判断は依然保留状態だ。

★ 防水パッキン(Oリング)を注文
時計の型番から即座に在庫確認の連絡がいただける、Oリング専門の会社を見つけた。[SEIKO 5 ACTUS]の2台、および[SEIKO LORD MATIC]の裏蓋Oリングは本日それらの在庫確認がとれたので即座に発注をかけた。しかし、[SEIKO LORD MATIC]の風防ガラスのOリングは在庫がないようだ。もうしばらくほかを当たってみようと思う。ちなみに、Oリングは200円で1本から販売していて、これだけでも助かる。

枠付き風防ガラスの場合には、裏蓋を開けてムーブメントを取り出すことなく、表面からだけでガラスの交換ができる可能性がある。(筆者の勝手な想像)従って、裏蓋のOリングは今後の開封のための予備ということで準備品として買い求めた。さて、風防ガラスのOリングを引き続き探すか、流用を前提にしてガラス交換に踏み切るかの判断に迷うところだ。

★ 風防ガラスのOリング
ベゼルを外してガラス周りのOリング寸法を実測してみようと思う。ガラス枠寸法が合致するか否かは別として、Oリング待ちの状態でパーツケースに仕舞っておく必要があるので、そのパーツケースが到着すれば作業に取りかかる予定だ。

実測したOリング寸法に近い汎用品を注文して、それが到着すれば外したベゼルを元通りにすることができる。さて、風防ガラスのOリングの手配は問題ないと思うが、ガラス枠寸法がどういう結果になるかは少し心配でもある。

★ 巻き太郎の付属品を調達
250122_ 自動巻腕時計のおまけで付いていた「巻き太郎」の付属品の調子が悪い。軸受けの溝が甘くなって回転時にカタコト音がする。そこで探したら1個用、2個用、3個用のセットがオリジナルらしいことがわかり、それらを運良く入手することができた。駆動状態に問題ないとのことなので、カタコト音は解決すると思う。

今ではこの種の時計バンドを調整して固定できる機構が備わった付属品をほとんど見かけないので、元祖「巻き太郎」は貴重かもしれないと思っている。

先に所持していた同製品のフォルダーは、3台・2台用だったので、今回これらに加えて1台・2台・3台用が加わったことで、空き時計の状況に応じて大抵の組み合わせで2機のマシンにセットできる。

今後に予想される駆動ベルト切れの対応も大丈夫なので、おそらくこの先も長期にわたり安心できると思う。

★ 歩度測定器(タイムグラファー)を試す
スタンダード仕様のタイムグラファーを安価で譲り受けた。商品はまだ手元にないが、この測定器でどうしても歩度校正を行いたい自動巻腕時計がある。校正といっても、裏蓋を開けてヒゲゼンマイ上部の「+-」をいじるだけで、振れ幅の調整までは行う予定はないが、その際にはこれがないとどうしようもない。

250124_ これくらいならば、近所の時計店へ持ち込めば簡単に作業を行ってもらえそうだが、ビンテージものの歩度校正は分解清掃・調整とセットになっているので、これだけをあまり快く請け負ってもらえないのが普通だ。そこで、時計の測定位置をあれこれ変えながら、納得できる精度まで追い込むだけならば、このタイムグラファーがあれば非常に効率的かつ安全だ。

当然ながら裏蓋を開けるとなると替えのOリングも準備しておかなければならない。というのが先の記事で入手したOリングだ。

とにかく、1台のみ日差+60秒なので、実使用環境でこれを半分以下の精度まで追い込むためには、歩度調整で10秒以内に収める必要がありそうだ。その作業が終了すれば当分はタイムグラファーの出番はない。というもったいない買い物だった。おそらく、前の持ち主も同じような動機で入手したものの、日常的に使用するものでもないので筆者のところへ廻ってきたとうことかもしれない。

★ タイムグラファーが到着した
試運転の意味で精度に全く問題のないシチズン自動巻(オープンハート)を上向き水平でセットしてみた。「日差-3sec」で納得した次第だ。歩度測定をすべき腕時計については、本日到着した「磁気抜き器」でまず微量の帯磁をキャンセルして、しばらく様子見のあとでタイムグラファーにセットしてみようと思う。

マイクスタンド装置およびディスプレイともに想像していたよりもやや大きい。配線ケーブルやコネクター等の造りが非常に堅牢で、金具の品質も良い。ディスプレイは青色液晶と基板だけの構成と思えるのは、重量感のあるマイクスタンドとは正反対に軽い。全体的な印象は西の大陸製にしては予想外にクオリティが高いと思う。世界中でほぼスタンダードになっている機器だけのことはある。ちなみに電源オン時のメッセージは日本語になっていた。

★ 磁気抜き器を試す
250127_ 歩度調整を行う前に分解・清掃を実施するのが理想だが、その前に行うべき必須の処置があるようだ。それは腕時計本体の帯磁を除去することで、それに用いる工具は「磁気抜き器」なるものが安価で販売されている。

ドライバー工具やピンセットの先端部分から磁気抜きをするのは、永久磁石のS極とN極を交互に行き来させれば簡単に終わるが、腕時計の場合にはそのような雑な方法は使用できない。そこで仕方なく定番ものの磁気抜き器を注文した。

この磁気抜き器は取扱い説明書がない。ネットで使用方法を調べてみると、磁気抜きの科学的な考え方からすると明らかに間違っているものも少なくなく、製造メーカーの無責任さには驚く。この種のものにはよくある、ユーザーの知見と責任において使用すべき類いのもので、その意味では分解して中身(回路)を確認しておくのも良い。

こちら、千円台で購入できるのは良いが、発生磁場がかなり強いので、時計との絶対的な距離を確保して使用しなければならない。何でもプレートに2cm~3cm以上近付くと良くないらしい。内部の電磁石が物理的に固定されておらず、蓋でおさえられているだけなので、質量の大きな金属を近づけると磁場による振動が発生する。

間違ってもプレートに時計を置いてはならないので、念のために2.5cmのスペーサーを切り出しておいた。無論、電磁石もケースに独立して固定してある。これで安全な操作が確実に行える。機械式自動巻腕時計の帯磁状態を確認すると、1台がやや顕著に帯磁しており、もう一台が微妙な様子だった。そして残りの2台は全く帯磁していなかった。一般的には帯磁すると歩度校正がずれるそうなので、そのあたりも留意しておくとメンテナンスの指標になるようだ。

ピンセット×1本、機械式自動巻腕時計×2台 の磁気抜きが一瞬で終了した。方位磁石で磁化の有無を確認したところ、見事に消えていたので作業としては失敗なく安全に行えることが確認できた。タイムグラファーの収納箱に入れておいて邪魔にはならない、使い方さえ間違わなければ、あれば便利なコストパフォーマンスの良い品だ。

2025.10.28
★ ついでに注文してしまった小物
250128_ 3.500円以上送料無料につられて、あって邪魔にならない「腕時計ベルト調整工具」を注文してしまった。自転車整備のチェーン切りのような工具なので代替え品は何かとあるので、使用頻度からしてあえて必要姓を感じなかった。

しかし、この広告の付属ハンマーをみてこれが欲しくて注文したようなものだ。腕時計をいじりだすと小物工具があれこれ必要になるのは仕方ないが、それらが昔と違って破格の値段で販売されているのがせめてもの救いだ。無論、時計店の職人がこれらを使用しているとは思わないが、これでも良いかと思うような仕事への情熱の程度を危惧する。

・・・つづく(もどる)

2025年10月 4日 (土)

予備機の「セイコー 5 アクタス」を確保

02__20250925190301 250114a_19745 1970年製[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-7490) 諏訪精工舎製]の予備機を探してかれこれ2ヶ月が経過しているが、1974年製[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製]の長期保管品をとあるコレクターの整理品で見つけた。

本来探していた年代は1972年製までもので、これは高校生の頃を過ぎている。ガラス風防のエッジカットデザインはほぼ満足できるタイプだが若干新しいのが気になる。純正のSSバンドは取り置きして、エンドカーブ金具付きのDバックル革製のものでこちらの予備機も軽量化をはかってみた。

初期の1970年製に比べて、最終デザインの1976年の2年前にあたる1974年製の[5 ACTUS]はわずか4年の違いだが、外観と雰囲気はかなりの改良が加えられている印象を受ける。おそらく、[5 ACTUS]シリーズの最終形にほぼ近いのがこれに該当するのではないかと思う。

自動巻の振動が若干軽くなっているし、ベゼルの盛り上がりデザインも独創的で造形美がある。いずれにせよ安心できる予備機を補充できたので、おそらくこの2台のどちらかは生涯にわたり楽しめる気がする。これで機械式自動巻腕時計が3台になったが、そのうち1台はカレンダー無しなので、残り2台の[5 ACTUS]はどちらか1台もしくは両方が常に「自動巻き上げ機」に鎮座している。

ことの始まりは8月に普段使いの「CASIO ProTrek」の寿命に伴う代替え品を探すことから始まり、昔のように自動巻腕時計が一つくらいあっても良いかと思いついた際に、高校生の頃に憧れていた「シチズンクリスタルセブン」のいわゆるクリスタルカットの風防のことを思い出し、代替え品の1970年製[SEIKO 5 ACTUS]を偶然見つけたことに端を発する。

あえて高校生向きの汎用自動巻時計を予備を含めて2台確保したわけだが、「第二精工舎 亀戸」ではなく、グランドセイコーで知られる「諏訪精工舎」で[SEIKO 5 ACTUS]の25石モデルを製造していた点が実に興味深い。初めて腕時計を持つ高校生だけに、如何に乱雑に扱うかを百も承知であえてこのシリーズを製造し続けた理由は何だったのか。当時の主力機種であるロードマチックはそのほとんどが「諏訪精工舎」であったのは納得できるものの、「5 ACTUS」がなぜという不思議がどうも釈然としない。

2025.10.08
★ ステンレスバンドの軽量化
250116a_ 最近の腕時計のほとんどはステンレスバンドが標準で、革バンドやメッシュバンドのような軽量タイプはきわめて数が少ない。ステンレスでも薄く仕上げた軽量タイプもビンテージものでは見かけるが、交換ベルトそのものが市場にないようだ。ちなみにこのビンテージものらしいバンドは、[セイコードルチェ]の替え用で3本ほど取り置きがある。

日常使いの時計は軽めの方が好みだが、4年前に野外作業で必要に迫られてとにかく購入した[REGNO SOLAR Stainless]だが、後に買い直した[REGNO SOLAR Titan]に比べて異常に重い。その重さの内訳を調べてわかったのだが、ステンレスバンドが重いようだ。

250115a_regno 一般的なセイコー純正のステンレスバンドは、2台の「5 ACTUS」バンドがサイズ18.5cmでW=34g程度なのに対して、[REGNO SOLAR Stainless]に付属するものはW=58.3gもある。ちなみに、軽量タイプビンテージものはフリーサイズでもW=33gだ。やはり時計本体の購入価格がセイコー純正の革バンドよりはるかに安価なので、このあたりはしかたがないこととあきらめていた。

ところが。最近になって予備の革バンドでほぼ余りものになりそうなのが出てきたので、思い切って[REGNO SOLAR Stainless]のバンドをDバックル革製に交換してみようかと思った次第だ。

カジュアルな雰囲気になるように、革バンドにバンビ製エンド金具を装着して、こちらも余り物なので行き場を得て喜んでいる。このバンドの仕上がりはフラットタイプでないと適合しないので、昨今の厚みを持たせたバンド縫製の製品では金具が装着できない制約がある。

これで2台の[SEIKO 5 ACTUS]のDバックル革バンド仕様とほぼ同じ重さになって、日常使いに違和感がなくなった。そして、数ある腕時計の中でこの[REGNO SOLAR]がもっともイニシャル&ランニングコストパフォーマンスが良くしかも正確で堅牢だ。

ちなみに、交換時計バンドより安価な[REGNO SOLAR Stainless]の理由を筆者なりに調べてみた結果が以下のとおりになる。

 ・ミネラルガラス風防は硬度は高いが、透明度においてはクリスタルガラスより劣る
 ・ケースのステンレス材質が加工がしやすい比較的柔らかなものを使用している
 ・ステンレスの光沢が鏡面の一歩手前までしか研磨精度が出ない
 ・ベゼル(風防枠)が嵌まっているように見えるが、実際にはケースと一体の削り出し構造になっている
 ・風防ガラスはベゼルが無いので、裏から接着剤で固着されており、交換できない構造になっている
 ・ステンレスバンドは鎖加工精度が要求されない厚手の光沢仕上げで、加工手間がかなり削減されている

ムーブメントはおそらく当時の実売価格1万円台の製品と同じだと思うが、加工・組立手間が格段に効率化されているようで、これが「Cased in China」の表記と合致する。しかし、太陽光発電素子と蓄電素子の寿命が10年とされているソーラームーブメントなので、これ以上高級なものを買い求める意味がない気がする。従って、この価格設定の製品販売は妥当だと判断している。

別な考え方をすると、交換電池交換が入手できない発展途上国では、堅牢な自動巻時計か10年の使い捨てソーラー時計かの選択肢は非常に意味のある製品ラインナップだと思う。

・・・つづく(もどる)

2025年9月21日 (日)

SEIKO 5 ACTUS の予備機が見つからない理由

02__20250921180601 250111_ 先月入手した[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-7490) 諏訪精工舎製]が思いのほか気に入っていて、仕事場での普段使いではほとんどがこの腕時計になる。こうなると、いつ壊れてもおかしくない素性のものなので予備機をすかさず探していたが、同じものがいっこうに見つからない。

その同じものとは風防ガラスだ。透明度からしてクリスタルガラスの類い(ハードレックス等)だと思うのだが、同年代の[SEIKO 5 ACTUS]と、もしかして25石の製品だから[SEIKO ROAD MATIC]も含めて探してみたが、いずれもガラスの透明感とエッジのデザインが明らかに異なる。

そのような混沌とした日々が経過する中で、販売店のコメントに、「風防ガラス交換済み」というのがあったことを思い出した。確かに、この無傷で美しい風防ガラスが魅力の一つでもあったわけで、そのことを必須条件に代替え品を探していたが、もしかして別機種の交換ガラスが使用されているかもしれないという疑念がわき始めた。

そして、最近になってこの風防ガラスときわめて似通ったものが装着されているセイコー製品をみつけたのだが、それはどうも「グランド・キングセイコー」のようだ。筆者の推測が正しければ、販売店は、劣化した[SEIKO 5 ACTUS]の風防ガラスを交換する際に、同サイズの「グランド・キングセイコー」用のものを装着した可能性が濃厚だ。

もしくは、ある年代においては、[SEIKO 5 ACTUS]と「グランド・キングセイコー」の風防ガラスの共通時期があったのかもしれない。とにかく、このように考えると、これまで一般的な[SEIKO 5 ACTUS]で風防ガラスがカットエッジになったものの予備機が見つからなかったこととつじつまが合う。おそらく、高校生時代に憧れていた[シチズン クリスタルセブン]の風防ガラスを凌ぐ美しさだと思うのだが、当時の世の中にこのような高級風防ガラスがあったことは知るよしもない。

★ 風防ガラスの履歴が少し解明された
250112a_1974 1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]の数ある画像の中に、似通った風防ガラスのものがあった。ベゼルのデザインが洗練された後継機種という雰囲気のようだ。しかし、厳密にはエッジの立ち角がわずかに違う。そして、表面がフラットなのは同じだが、ガラスの厚みが均一の板状ガラスで、内側がえぐれた凹レンズのような反射防止タイプではない。

全体的にガラス加工のコストダウンの意図が見え隠れするが、基本デザインは踏襲されていると思う。そして、ベゼルのかぶり方からすると、風防ガラスの径も若干大きいような気がするが、反射が多い分だけ透明感がわずかに劣るような錯覚を覚える。

言い換えれば「グランド・キングセイコー」特有の斜めから文字版を見る時のガラスの存在を感じさせない透明感が得られていない。これが風防内側の凹レンズ加工の有無によるところだ。右画像の12時付近で表面反射が著しいが、「グランド・キングセイコー」ではこのような反射はほとんど発生しないのは、手元にある[SEIKO 5 ACTUS]でも同じだ。なお、透過光の屈折率とスペクトル分解能は若干違うように見えるので、素材としてのガラスの成分にも違いがある気がする。

そうすると、見た目だけの判断だが[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-7490) 諏訪精工舎製]と「グランド・キングセイコー」の一部は1970年頃のある期間で風防ガラスが共用できるベゼル寸法であった可能性がある。つまり、今回の販売店での風防ガラスの交換では「グランド・キングセイコー」用のものを用いたと考えるといろいろと辻褄が合う。

余談だが、こうなると製品としての予備機を探すとすれば、上の画像にある1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]で妥協するのがもっとも現実的な気がしてきた。ただし、1974年製ということは、筆者が大学3~4年生の頃になるわけで、当時は手巻きのオールドウォッチの名機をいくつも先輩から譲り受けて、国産の汎用品には目も向けなかった頃だ。いささか予備機の趣旨が違ってくるのは事実で複雑な思いでいる。

★ [SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]とは
250113a_1972 [SEIKO 5 ACTUS 25石]は、1970年前後の6106-7490から1974年の6106-8660へ移行してきたモデルであることはわかるが、後半はどうもそのケースは「ロードマチック」との共通性が見え隠れする。

これは製造拠点が諏訪精工舎で同じだからもあるが、ベルト幅が従来の18mmから19mmに変化していることとも合致する。従って、予備機を探すのであれば、本来は「ロードマチック」で探すのが合理的だと思うのだが、これだとますます予備機の意味合いが遠のいてしまう。

つまり、このような製品履歴からすると、1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]を探し出すのは、コストパフォーマンス面では不利で不合理な「ない物ねだり」になる可能性が高い。

というのは、この時期のセイコーファイブは5面・6面カットガラス風防の機種を発売した頃なので、それらの影でロードマチックの安価版という位置付けでは品数がかなり少ないことが予想される。

一方で、右にある第二精工舎(亀戸)[SEIKO LORD MATIC Special 25石(5206-6110)]は、1974年製の[SEIKO 5 ACTUS 25石(6106-8660) 諏訪精工舎製 ]に似たデザインながら、1972年製だということで、これらのことを踏ませて予備機の確保を考えてみようと思う。

・・・つづく(もどる)

2025年8月24日 (日)

1976年製シチズンクォーツ腕時計(備忘録)

02__20250815110801 250095_ それは社会人になってしばらくの1979年頃に購入した「セイコードルチェ」を選ぶ際に卸用カタログ冊子で見た[シチズンクォーツ]も比較対象にしたことで明瞭に覚えている、[シチズンクォーツ 4-850041 S]を偶然見つけた。できればこれも同時に購入したいくらい完成度の高いスクエアーデザインだった。

オリジナルの「セイコードルチェ」は茶色の革バンドで、これが全体の印象を落ち着かせていたが、劣化したベルトを何度か交換するうちに、20年前ころからメタルベルトが実用的に思えて、その後3本目のこのベルトが気に入っている。

サファイヤガラスの透明度はすばらしいが、エッジの立ち具合が少ないのは少しでも薄型を意識した設計のようで、正面からの映り込みが中途半端になりガラスカットの美しさを表現しきれていないのが残念なデザインだ。しかし、外装のすべてにわたって無傷でガラスのような輝きはさすがにチタン製ケースだ。

250090_1979 さて、話を「シチズンクォーツ」に戻して、本製品は1976年製の「未使用品」でグランドセイコー並みのクリスタルガラスは反射抑制コーティングが施されて透明感はセイコーのサファイヤガラスを凌ぐ。そして特記すべきは裏蓋の非防水ながら汗の滲み対策が考えられた形状と強度がうかがえる構造デザインだ。

このあたりはドルチェの方は全体の薄さを強調するあまり、単純な平蓋で終わっているのが見劣りする。実際、40年が経過した頃から電池交換の際に裏蓋の閉まりが甘いという忠告を時計店から聞いている。

今思うのだが、当時の国内シェアーは圧倒的にセイコーだったが、今で言うところのユーザー目線への基本的な気遣いはシチズンの方が上だったと思う。どちらかと言うとセイコーは大名商売的な印象を受ける。

デザイン・用途としては[ドルチェ]と完全に被るので、使用が前提であれば購入の必要姓はないのだが、当時の比較対象としての魅力に未練があるという理由で取り寄せた次第だ。

一般的にスクエアーのケースは人気がなく、当然ながら種類も少なくデザインが画一的になりがちだ。そのような中で、もっとも落ち着きのあるスクエアーデザインエッジの美しいガラス風防だと思う。

[ドルチェ]はラグとベゼルがケースと一体化した、構造的にはやや無理のある形だが、おそらく当時のオメガのデザインの影響を受けている気がする。

一方で、構造は同じだが[シチズンクォーツ]はベゼルの形状を突起で残した、ガラスの押さえとしては安定性のあるデザインになっている。しかし、いずれも非防水仕様なのは構造的弱点が原因しているためと想像する。とは言うものの、[ドルチェ]は卸用カタログ冊子で貴金属関連の商社に勤める見内を通じて購入したので、店頭での実物と価格は確認できていない。

250094_ これら2つへの迷いは、ケースの材質がセイコー製のチタンとシチズン製のステンレスの違いが、デザイン性を上回る決定要因になったと記憶するが、今改めて見ても「保守的なシチズン」、「冒険的なセイコー」という印象は変わらない気がする。

セイコーはこの時期からキングセイコー・グランドセイコーというブランド意識へと舵取りをし、シチズンは社名が示すように根本的なところでセイコーとは社風が違う。筆者は今でもこの2社は比べるメーカーではなく別格の価値観をもつそれぞれのメーカーという認識でいる。これが「残念なくらい安価」だった[シチズンクォーツ 4-850041 S]を購入した言い訳だ。

まあ、筆者にとって腕時計は自身のアルバムを眺めるようなもので、常に過去との因縁が関与している。そういう意味では、時代を先取りするスマートウォッチが全く心に響かない原因がここにある。先日の「懐中時計」とこの「腕時計」の2つに関しては別段なくても差し支えないものだが、ほんの小遣いで、残りの人生が少しだが充実するといういつもの「うんちく」だ。

250109_ そのような気になる「シチズン」だったが、1983年頃だったか「エクシード」が発売された頃に、チタン合金を上回る硬度9のダイヤモンドに次ぐ堅さのカーボンカーバイド製のケース+サファイヤガラスのスクエアーデザインの製品が発売されたと思う。ただし、価格もそれなりだったことから、ある意味で高嶺の花だったような記憶がある。

この[シチズンエクシード]はスクエアーデザインとしては、[セイコードルチェ]よりもやや洗練されており、超硬合金の特質を生かしたカットデザインでは、ほぼ完成形に近いのではないかとさえ思っていたが、これ以降の高級腕時計の主流はやはりラウンドデザインに戻ったような気がする。

この時期の筆者は30歳前後で、仕事と家庭が充実し始めた頃だったので、何かと生活の出費が多く、高級腕時計とはほとんど無縁だったこともあり、ひたすら独身貴族時代の[セイコードルチェ]を大切に使用していたと思う。

★ 1970年製セイコー 5アクタス(諏訪精工舎 61系)
250095__20250823162601 実はこちらの記事の方が本題なのだが、1970年頃の[シチズンクリスタルセブン]の対抗馬として、同じく高校生用のお手軽な自動巻腕時計では[セイコーファイブアクタス]の方が店頭での知名度が高かった気がする。ただし、筆者はこの製品は[シチズンクリスタルセブン]のコピー商品だと考えていた。

そこまで[シチズンクリスタルセブン]に思い入れがあるのは、その風防ガラスのカットデザインで、やや目立つ曲面に大胆なエッジカットがプリズムのように輝く姿は忘れられない。おそらく、昔の手巻き時計の風防ガラスが同じく曲面で反射を押さえていたように、ガラスの透明度がひときわ目立っていた。

なお、2000年当初にこれの復刻版も発売されるほどの名機だったが、復刻版は一目でそれとわかるチープ感でやはり別物だ。従って程度の良い1970年代の[シチズンクリスタルセブン]は比較的高値でコストパフォーマンスは決して良いとは言えない状況だ。

さて、[セイコーファイブアクタス]だが、ガラスのエッジと曲率をおとなしくして差別化を図り、オリジナル性に欠ける量産品というイメージだが、実際はこちらの方が良く売れていたのも事実だ。無論、性能・品質にはなんら問題はないが、この後[セイコーアクタス]へとモデル変更を経て、いわゆるビジネスモデルデザインに融合している。

今回、その[セイコーファイブアクタス]に実は通常の21・23石の量産品に加えて、25石の諏訪精工舎製の上位グレードがあったことを知った。おそらく、[セイコーロードマチック]とのクロス派生品のようなものだが、より高精度とは言うもののほぼ意味のない61系横流し品のようなものだ。

ところが、どうもコレクターの間ではその希少性ゆえに意味があるらしく、それを見越して販売されていた整備品(ガラス風防交換、ベルト他社製交換、外装取り外し超音波洗浄)だが、おそらくベルト・風防ガラスが年数相応に痛んでいたと思われる、精度の追い込み未調整のややリスクのある格安製品を「自動巻上げ機」付で見つけた。

コレクターの認識では製品のオリジナル性が重要な要素であることから、いわゆる再生品の価値は一般的に低いようだ。実質的で合理的な価値を優先する筆者にとっては好都合の掘り出し物ということで、こちらも整備費用にもならない価格で入手した次第だ。

同年代で整備品として確実なセイコー製品は25石や33石の[ロードマチック]が数も多くリスクも少ないとは思うが、ビジネス機だけに使用感は拭えないものが多い。また当時としてはやはり高校生が持つにはグレードが違いすぎるというか、洗練されていて年寄り臭い印象があったことを思い出す。その点では[セイコーファイブアクタス]の初期型はまだ[シチズンクリスタルセブン]の模倣デザインの印象を受ける。

精度の調整だけで済むかどうかは、馴染みの時計店で見てもらうとして、これまた駄目元で入手した次第だが、おそらく日常は使用しないと思うと、いつのまにか気が付けば安物、いや合理的価値のコストパフォーマンスが高い腕時計のコレクターになっていたようだ。一方で、国産品の自動巻き上げ機なる商品の到着が楽しみだ。おそらく防磁対策はなされているとは思うけれど、使用前に磁気発生の有無だけはチェックしておこうと思う。時計を本体に載せてスイッチを入れて3分間回せば適正なゼンマイの巻き上げが終了する。

(追記)
付属していた自動巻き上げ機の詳細を調べると、2005年に販売が終了しており、当時の希望小売価格は¥33,600(実勢価格¥22,800)なので、いわゆるバブル経済下の海外品を含むブランドもの高級自動巻腕時計用を想定した商品であることが判明した。従って、[セイコーファイブアクタス]とは全く関係のないおまけの気がする。

まだ正常に駆動するけれど、メーカーとすれば20年前にほぼお役目は終わったというところなのか。最近の製品の多くは本来の性能よりもディスプレイ要素を重視する傾向が強いことを考えると、それとは逆の機能優先の商品設計に伴う製造原価の高さが「あだ」となったのだろう。

(メモ)商品到着後に確認する事

250098b_ [シチズンクォーツ]
・未使用の確認:保護シールなし、未使用に疑問点なし
・精度差:問題なし
・経過観察:本日で10日目、問題なし

[セイコーファイブアクタス]
・動作と精度の確認:動作問題なし、カレンダー切り替えOK、
 精度差+45秒/日程度 OK
・キズ、スレ、腐食の確認:ラグにわずかな曇りあり、裏蓋にわずかな
 スレあり、ベゼルに小キズあり、ガラスは交換済み、エッジの
 透過スペクトルあり(クリスタルセブン似)
・スレ、キズ修復の可否を確認:ラグ曇りと裏蓋スレは超微粒子
 コンパウンドで修復可、小キズは軽減程度
・革バンド:ノンブランド要交換、メタルに交換
・経過観察:本日で10日目、問題なし

※ 目視では目立つキズおよびステンレスの曇りはなくなった。風防ガラスが新しいため、無傷の文字版が美しい。クリスタルセブン似のガラスエッジの透過スペクトル(発色)が当時の雰囲気を再現している。諏訪精工舎製の上位グレードの[セイコーファイブアクタス]とは言え、高校生を対象とした1970年製の安価なシリーズとは思えない、キングセイコーの同時期のモデルを意識したデザイン品質だ。現在ではほとんど商品価値のないものだが、筆者の思い出の中では[シチズンクリスタルセブン]に次いで影響力のある腕時計で、このことがいわゆる高級腕時計とはおよそ無縁な理由だ。

250103_ ステンレスバンド(幅18mm)は[セイコードルチェ]と同じなので、付属していた社外品の汎用黒革バンドからドルチェの予備ベルトの1つに変更してみた。悪くはないがケースのベルトエンド部分が同じストレートなのに、メタルエンドと今一つしっくりとしない。調べてみると、どうもオリジナルベルトは革ベルトのような気がする。

実は[セイコードルチェ]のオリジナルベルトも茶色のワニ押し型の革ベルトだったが、現在はチタン色のメタルメッシュに交換しているので、2台の時計で供用できるように、セイコー純正の革ベルトを注文することにした。

これで[セイコーファイブアクタス]のオリジナルの雰囲気が再現できていると思う。もっとも、「茶色」のワニ押し型の革ベルトの選択肢はなかったかもしれないが、もとより筆者は腕時計に関しては革ベルトの「黒」を着用した記憶がないのと、すぐにくたびれる革素材は特に学生時代には贅沢品という感覚だった。

確かに、純正品の本革時計バンドは良い造りとは言えかなり割高だ。はっきり言って腕時計の価格を超えるので、ドルチェとの共用を前提に納得した次第だ。

ところが、ドルチェに装着してみると蘇るオリジナルスタイルで、すっかり気に入ってしまったのだが、さすがにもう一つ購入する決断はできず、仕方なく[セイコーファイブアクタス]の方はノンブランドもので済ませることにした筆者はやはり小心者だ。

250105_d 250107a__20251001094301 ノンブランドものだと価格が1/3~1/4程度だが確かに違いは明白だ。厚みやケース側の縫製処理など、細かな点でオリジナル製の方は製作手間が掛かっているのがよくわかる。バックルは2箇所留めワンプッシュリリースで材質や品質に大きな差はなく、コストパフォーマンスは良い。やはり純正品は「SEIKO」の刻印が価格の何分の一かを占めているような気がする。

本革製の腕時計バンドは40年ぶりくらいになるので、「Dバックル」には少々驚いている。ご存じのとおり、ベルトの傷みは留め金部の折曲げで革が劣化してくるのがほとんどだ。これは如何に丁寧に使用していても避けようがないことなので、交換頻度を考えるとかなり割高な素材だった。

「Dバックル」のおかげで、ベルトの寿命がおそらく数倍に延びると思うのだが、それよりも軽量化という点では、ステンレスのチタン化をはるかに上回るメリットがある。ただし、腕時計のケースデザインによっては、本革製がまるで似合わないものも多い。

ちなみに、「Dバックル」の発明はカルティエのようで、現在まで若干の進化もあったようだ。その語源については、仏語ではDÉPLOYANT(ディプロワイアント)、英語ではDEPLOYMENT(ディプロイメント)になるらしく、1980年代から1990年代にかけて普及してきたらしい。

なるほど、筆者がドルチェのベルトをメタルに交換した40年前に製品付属として出始めていたということで、その時点でこの「Dバックル」のことを知らなかったのも納得できる。おフランスのことだから、もしも特許を取得していたとしても、20年後には汎用品が出始めて現在までさらに20年だから、もうほとんど一般化していると考えて差し支えない。

2025.08.27
★ 自動巻き上げ機を試す(海外組立品のおまけなのであまり信頼していない)
予想していたよりも本体が大きい。円筒の外径がφ142mmで、装着する時計が2本と3本で円盤部分を交換するようだ。時計のフォルダーはネジでバンド内径を調整できる構造で好感が持てる。制御基板はDC7.5Vが入力されており、そのあたりの電圧でDCモーターを駆動させている。減速ギアーボックスへのモーター軸動力はφ30mmのゴムベルトで伝達される構造のため、動作音がきわめて静かな理由がここにある。それは、かつてのベルトドライブのプレーヤーを経験していれば、何の不思議もないことだ。ゴムベルトは今はなき「カシオProTrek」の裏蓋パッキンの残り(20本)が流用できるので、この先の故障対応も問題ない。

部品の材質はほとんどがプラスチック製でネジ止めの精度も普通だ。風防ガラスの枠とフォルダーがステンレス製になっている点が唯一高級感がある。スイッチ類および電源端子も汎用電子パーツで、ACアダプターはメーカー名のラベルこそ貼ってあるが、7.5V 500mAの汎用海外製品に酷似している。回転モードが全部で4パターンあり、多種の自動巻腕時計に対応しているようだが、基盤設計は一昔前の雰囲気があり、保護回路が見当たらないかよくわからない。内部を撮影するほどのものでもないので画像は省略するが、見たところコンデンサーの劣化とベルト切れが一番心配なところだ。この先の故障は空回りで止まるか、煙が出て止まるかのどちらかのようだ。

現在の価値としては1万円までの類似品と大きな差はない気がする。やはり発売当時はバブル期という価格だった気がするが、発売時に特許出願No.が記載されているので、類似品の製作が出回るまでのわずかな期間は独占販売だったかもしれない。なお、本製品の販売会社は現在もファッション関連商品の企画・販売促進事業を営んでおり、当時はいわゆる高級アクセサリーの関連商品の1つとして販売していたようだ。当然ながら自社ではメンテナンスはできない。おそらくゴーストの会社があったような気がする。

今回の分解ではギアボックスのグリスアップ、DCモーター軸受けの注油、配線ターミナル端子2箇所の接点復活剤塗布、で一応の整備を行って延命措置を図っておいた。DCモーターは日本製の模型用に見えるので信頼性は問題ないと思う。

★ 勘違いしていた自動巻き上げ機の基本機能
筆者は今回の製品を手にするまで、一般的な製品「自動巻き上げ機」の基本機能を勘違いしていたようだ。これまでこの製品は自動巻腕時計のゼンマイをフルに巻き上げるためのものだと考えていた。実際、現行製品のほとんどはこのタイプだ。ところが本製品の説明書を確認してみると、最小限のゼンマイ巻きにより運針を維持することにあるようで、巻き「上げ」という響きの早とちりだった。

 ①左右交互回転:5分間左右交互回転 計10分間 → 停止2時間50分 → 再始動回転
 ②左右交互回転:10分間左右交互回転 計20分間 → 停止3時間40分 → 再始動回転
 ③右回転:15分右回転 → 停止2時間45分 → 再始動回転
 ④左回転:15分右回転 → 停止2時間45分 → 再始動回転

250097_ ということで、カレンダー付きの[セイコーファイブアクタス]を「自動巻き上げ機」にモード②で装着して、動作維持が問題なく行えるかどうかを今日から試している。もし、だめならば③、④を試してみる。はたして初期の自動巻機構でもうまく「運針維持」が行えるかどうか楽しみだ。

「自動巻き上げ機」のガラス蓋の透明度および底鏡にはくもりが全くないので、格納した時計の前面に何も無いように見えるのは想定外にうれしい。最初はおまけと思っていたが、これは使える商品だと実感している。ステンレス製のフォルダーも安定度が非常に良い。

2つ並べてわかったが、両方の腕時計の風防ガラスはともに外面はフラット仕上げだが、現行品の左[セイコーオートマチック]はハードレックスなので、正面からでは反射を抑制しきれず透明感がややぼやけるのに対して、[セイコーファイブアクタス]のクリスタルガラスはどの角度でも透明感が同じなのはさすがだ。おそらく、ガラスの内側が凹状に湾曲している最高グレードの風防だと思う。

★ 磁気発生のチェック
「自動巻き上げ機」本体で磁気を発しているのは、唯一DCモーターの筐体部になる。基板にはコイル等の回路がない。そこで、本体の内外で磁気の様子をチェックしてみると、下段ユニットのモーター位置外側(8時方向)に限って磁気が感知された。腕時計がセットされているのは上部ユニットのフォルダー部になるので、この位置だとかなり磁気の反応が弱まっているようだが、完全に磁気なしの状態ではない。

フォルダー位置での磁気の様子だが、8時方向で磁石の針が15度振れる程度の磁場が生成されている。これはスマートフォンを手にした時の1/3程度の磁場なのであくまでも筆者の判断だが、この程度であれば腕時計の帯磁しやすい鋼鉄部に影響があるとは考えにくい。従って、長期の使用は可能という結論だ。

比較的コンパクトで、モーターとフォルダーがかなり接近している製品だと、DCモーターの磁気の影響を直接的に受けると思うので、これらは少し気になるところだ。しかし、これらのほとんどはかなり粗雑で安価な製品のようなので、まあ1万円以下のものをディスプレイ用のケースとして購入するのは、磁気は通電の有無に関係ないので避ける方が無難だ。そう考えると、本製品は数あるなかでも開発コンセプトはしっかりしている。

どうしても心配であるならば、気休めに防磁シート(カード用)をDCモーターの上部、またはフォルダーの下にに貼り付けておくのも良いかもしれない。そのうちに試してみようと思うが、この防磁シートそものの性能が今一つブラックボックスだ。

②左右交互回転:10分間左右交互回転 計20分間 → 停止3時間40分 → 再始動回転
 → 24時間経過:2台とも順調に駆動している 8/29
 → 48時間経過:2台とも順調に駆動している 8/30
 → 3日目 : 2台とも順調に駆動している 8/31
 → 4日目 : 2台とも順調に駆動している 9/01

上記のモード②で55年前の[セイコーファイブアクタス]も問題なく運針が維持できているようだ。

・・・つづく(もどる)

2025年8月21日 (木)

1979年製セイコークォーツ懐中時計(備忘録)

02__20250815110801 保管庫にある祖父の遺品になる手巻き懐中時計を久々に巻いて、比較的大きな音の歯車音を聞いていると、普段腕時計をあまりしないのと、スマホも自宅によく忘れるのでこれをカバンに入れておきたくなった。

と言っても、手巻きの懐中時計をカバンに入れて持ち歩くのは重くて不合理なので、消耗品クラスの電池式クォーツ懐中時計を探していたところ、46年前の長期保管品を見つけた。文字盤のデザインがシンプルで気に入ったのと、10日前に電池装填で動作確認済みということなので、不安要素は数々あるが駄目元で商品を注文した。

250085_ 駄目元とは即ち、送料込みで汎用時計バンド程度の消耗品価格だったことを意味し、もとより商品としての価値を見いだせないものだと思う。今さら現行の懐中時計を新たに購入する気はないが、これならば結果がどうあれ納得の範疇だと思った。

ケースサイズは前述の[SEIKO Automatic]よりふたまわり小さな、直径37mm、厚み8mmで、2台のソーラークォーツ腕時計とほぼ同じだ。カバンに入れっぱなしで2年間駆動という予定だが、はたして現物の程度がどうかだけが気になるところだ。

長年の日焼けとも思われる文字盤の雰囲気だが実際のところはわからない。だとしても大した気落ちはなく、とにかく正常に駆動し続けてくれることを願う。今回も「安物買いの何とやら」になるリスクが高い買い物だ。

現在、懐中時計が必須なのは鉄道運転士ではないかと思う。運転視野内での確認が容易で精度と耐磁性能を有し、長期駆動を具備しているものが求められるらしい。そしてストラップはチェーンではなく「編み紐」だ。

市販の懐中時計+チェーンという組み合わせは、ズボンにクリップを固定して、アクセサリー要素を組み込んだ時代のなごりだと思う。実際に、チェーンを付けたままカバンなどに入れて持ち歩くと時計本体にスレキズを付ける原因になるので、実用的な観点からすると「編み紐」が正解だ。と言うことで、[ミシン工房]に鉄道時計と同じような編み紐を注文しておいたので、時計本体が到着する際には間に合うだろう。

★ 商品が到着、謎の時計屋さんありがとう
250091_1979 送料230円のおてがる配達ゆうパケットで駆動している懐中時計が到着した。およそ時計とは思えない扱いの荷物でやってきた。電池装填から2週間ほどが経過しているが、一応時刻は合っているようでひとまずは無事に手元に届いたということか。

まあ、西の大陸からやってくるよりは安心かもしれない。これでもって発送元が考える荷物の価値観のすべてが理解てきる。しかし思いのほか美しい状態で、不安が払拭されるどころか驚きの方が大きい。一番の驚きはラウンドガラス風防のエッジカットが昔風で最近では見られない仕上げだ。

ステンレスケースやガラス風防にスレはなく、使用感が全くない保管品とおぼしきものというところだ。今後、バッグのポケットに出し入れすると、ステンレスケースには間違いなくスレが付くと思うが、それすら惜しいくらいの美しさで、厚みからしてもほぼ腕時計という様相だ。

文字板の色は銀色で見方による反射ムラが色あせに見えていたようで全く問題ない。裏蓋を開けて点検してもよいが、知らぬが仏ということもあり、機嫌良く駆動している間はそのままにして、次回の電池交換の際にチェックしてみよう。謎の時計さん本当にありがとう。

[ミシン工房]へ注文していた鉄道時計用の編み紐だが、濃紺で長さをバッグ用として30cmで仕上げている。当面はこの編み紐で使用することにして、付属のチェーンは再び保管することになる。おそらくこの先で取り出すことはない気がする。ということで、46年前の保管品懐中時計の一件は致命的なリスクを回避できたようだ。

我が家にはこの手の使い捨て価格の時計が、洗面所の鏡やキッチンの棚、車のメーターパネル横等に散らばっている。それぞれが意外と健在で、定期的な電池交換の際に改めて便利さに気づく。

★ 当時のシチズンクォーツ(備忘録)
上記の懐中時計を探し当てた際に、どうも気になる商品、具体的には記憶に残るクォーツ腕時計を見つけた。というのは、1979年に購入した[セイコードルチェ ]を思案しているときに、当時の現行品の[シチズンクォーツ]を手に持って、できれば両方を買いたかった記憶がある。それは1979年時点ではほとんど見かけなくなった、かつての高校生時代に憧れていた「クリスタルセブン」の風防ガラスカットの面影をこの[シチズンクォーツ]にみたからだ。(別記事に続く)

つづく(もどる)

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