カテゴリー「日曜工房」の記事

2026年10月 6日 (火)

1979年製 SEIKO KING QUARTZ 9923-7020

07__20261005210001 26131_ 自動巻KING & GRAND SEIKOには手を出さないことにしているが、筆者の好みの文字盤「SNOW」と、並外れた精度を持つ「TWIN QUARTZ」の年差±20秒という仕様の「KING QUARTZ」に魅了されて購入した次第だ。

ちなみに、さらに上位機種の「GRAND QUARTZ TWIN」は年差±10ということで、精度だけを追求すれば電波時計の合理性とコストパフォーマンスを考えると、「KING QUARTZ」が妥当なところかと思う。

「KING QUARTZ 9923-7020」と手元にある「Dolce」とはカタログ発表としてはともに1980年で、その掲載価格は前者が5万円で、後者が9万円になっている。ちなみに、「GRAND QUARTZ TWIN」と「Dolce」が同価格帯だっと記憶がある。1980年代のクォーツ時計の価値は単に精度を追い求めるよりも、よりデザイン性や外装素材に魅力の重点が置かれていたようだ。

実際、当時の「GRAND QUARTZ TWIN」を方を購入していたとしても、クリアハードレックスのガラスコーティングは目に見えてキズが発生していただろうし、ステンレスケースも同様のことが言える。その点では、現在も無傷の超硬合金+サファイヤクリスタルの「Dolce」にはその美しさの持続性では到底及ばない。

筆者の微かな記憶でも、この時期にはすでにそのようなファッション嗜好の高級傾向があったようで、いかにもビジネス時計という雰囲気と年寄り臭さを「KING & GRAND QUARTZ」に感じていた。しかし、現在のユーズド価格は海外市場が中心になっているため、中途半端にスイス製を真似た「Dolce」よりもカタログ価格で半分程度の「KING QUARTZ」の方が圧倒的に人気がある。

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いつものように、SSバンドを革バンドに付け替えるにあたり、滅多に選ばない「黒」を装着してみた。正統派ビジネス風というところだが、仕事で電車に乗るわけでもなく、車移動の日常であれば車載クォーツ時計で十分に事足りるので、無駄といえば無駄な買い物だ。スマホアプリにも「時計」が標準でインストールされており、読み上げが可能な「日本標準時時報」もお気に入り登録しているが、ともに電波時計の時報と同期した正確な時刻情報が身近にあり、この日常が腕時計の魅力が世間から遠のいている理由かと思ってしまう。

日常使いでもう一つの SNOW文字盤仕様の「CITIZEN LEOPARD」は高振動の8振動自動巻だが、こちらもクォーツ並みの薄型軽量で装着感がよく似ている。ちなみにこれの現状の調整精度は日差+6秒で機械式では比較的高精度の部類なので、汎用のクォーツムーブメントよりも工業製品としての魅力は段違いに優れると思っている。

「TWIN QUARTZ」は、1970年代後半から1980年代にかけての、世界一の高精度初代ムーブメントで、その精度は現在ではGRAND SEIKOがこれを引き継いでおり、併行して電波時計もしくはGPS時計にその精度の使命を分担させることになる、これが初期のその「TWIN QUARTZ」ムーブメントということもこの歳になって魅力の一つとして筆者の目にとまったわけだ。

2009年の現役引退の頃に、クォーツ式 GRAND SEIKO を購入する予定でもあったが、その時点で30年以上大切に持ち続けてきた[SEIKO DOLCE]を見ていると、再び給料をはたいて新たな時計を購入する気力が失せたことと、衝動買いできるほどの余裕もないのが正直なところで、それで今日まで高級クォーツ時計を手にしてこなかったわけだ。しかし、この先の所持品整理の時期が到来して、家族のだれかが筆者の腕時計群を見つけた時に、一つぐらい聞いたことのある定番ものがあっても良いかと思う。

★ クォーツの精度意識に縁遠い「SEIKO PREMIER (プルミエ) 」
26130_seiko-premier 今年の初め頃に「記事」にした、ケース外径φ40.5mm、ラグ幅23.5mmで、手首廻りが20cmというかなりの大ぶりの汎用クォーツムーブメント 7N39 の腕時計だが、外装およびベルトの完成度は高級腕時計並みという海外製の[SEIKO PREMIER QUARTZ 2針 ]だ。

この商品名を「プルミエ」か、「プレミア」と読むのかは不明だが、国内では販売されていない機種なので大した問題ではないが、2針故にその精度を気にしたことがない。第一、時刻を合わせる時点で1分単位のインデックスがない。レディースをそのままメンズに拡大したような、掛け時計のようなものだ。

たまにこの腕時計をしてみるのは、バンドの弓カン部もバックル部も統一デザインのオリジナリティが感じられて、この大きさで完全フラットのサファイヤクリスタルガラスは圧巻で、「ザ・腕時計」という雰囲気がたまらないときがある。

特記すべきは、バンドのコマが2種類の組み合わせで、ハーフ幅(正確には0.538)のコマが上下の両側に挿入されているので、微妙な長さ調整が可能になる。筆者の場合はちょうど両方を使い切る組み合わせでうまく調整できている。

バックル部でもバンド幅は20.5mmで圧迫感が分散されて、W=111gをそれほど感じさせない気がしている。当然ながら、一般的な日本人の場合には腕周りの大きさでかなり人を選ぶデザインだと思う。それだから、保証なしの新品価格が定価の1/5以下だったと記憶している。

2026.10.10
★ KING QUARTZ 簡易整備
初めて高級腕時計「KING QUARTZ」の簡単な整備をしてみて、これまでの汎用のセイコー製ヴィンテージものとの違いに気付くところがある。

ケースのスレキズを軽く消す作業をしていたら、ステンレス鋼の硬度が一般的なものと違う。やや高硬度の素材を使用しているようで、キズが付きにくく鏡面反射の密度が高く美しい。裏蓋のパッキンは断面が変形しているので元の太さを推定するのが難しい。閉まり具合を確認しながら、0.6mmの汎用品で問題ないようだ。

ケース全般に言えることだが、外装の造形的切削加工および内側の段付切削加工の精度が高い。ベゼルの内側にもパッキン溝のテーパー段付加工が施されており、ガラスの圧入時にパッキンのズレが生じない工夫がされているのは、メンテナンスを前提とした品質の確保への配慮のような気がする。

26132_ つぎに風防ガラスだが、これは目視ではあまり気にならない非常に細かな線傷があり、光の反射具合では気になる無反射コーティング層のキズだ。交換を悩むところだが、ここはやはりいつものように風防ガラスは新品に交換することにした。準備したのはダブル曲面エッジカットのコーティングなしのタイプで、反射・屈折の制御で光の透過性をよくしたものだ。

オリジナルの完全フラットのQUARTZ用の風防ガラスはまだ比較的容易に入手が可能で、そのうちに注文しても良いかとも思うが、このダブル曲面エッジカットの方はそのうちに市場から消える気がするので、今回はまずこれで組立を完了しようと思う。

余談だが風防ガラスの加工をカメラや顕微鏡のレンズと比較すると、完全フラットでコーティングを施す手法はいわゆるフィルター用ガラス板の加工手法で、製造原価はレンズ用の曲面加工に比べると安価だが、1970年代後半以降はむしろより高級に映るような目新しさがあった気がする。このフラットタイプの風防ガラスは特にセイコー製が先駆けだ。現在の風防ガラスの主流はサファイヤガラスで完全フラットタイプが多く、コーティング処理まで施しているのはごく僅かなのは、コーティング層よりもサファイヤガラスの方が、はるかに硬度が高いためではないかと思っている。

26133_ 文字盤とベゼルのインデックスおよびムーブメントは埃をブローする程度で問題なく、針の傷みもほとんどないのは購入前に確認したとおりで、電池は十分な電圧が確認できたが、今回の清掃時に新品と交換することにした。グリスアップ(裏蓋とリューズ)を済ませて、あとは風防ガラスが到着すれば準備してあった革バンドを装着して完成となる。

・・・つづく(もどる)

2026年9月20日 (日)

カメラの電池が膨らむ

07__20260920093201 26114_enel20 あまり出番のない[Nikon 1 V3]なので、互換品の電池の充電メンテナンスだけでカメラ庫に保管期間が長い状態だが、電池を入れ替えてから4年が経過して今回の充電メンテナンスで電池が出てこないトラブルに見舞われた。

原因は電池が膨らんでいたことによるもので、早々に新しいものを注文したが、今後は初期設定が煩わしいが、カメラ本体から電池を抜いておこうと思う。新しいものも互換品だが、日本の会社の販売なので少しは安心かもしれないが、これもいつどのようなトラブルが発生するかは不明だ。

大抵のリチウムイオン電池は、4年前の購入価格から値下がりしているようだが、それだけに安全性がおろそかになっていないかが心配なところだ。しかし、庫内にある6台のカメラの電池メンテナンスは、予備を含めると15個以上になり、これらを3年から5年サイクルで入れ替えていたら、腕時計と違って電池代もバカにならない。

★ 「COSMOTRON」ムーブメントのテンプを交換
26115_ 文字盤縁の痛みが気になる「COSMOTRON 7804」をシルバーからホワイトに交換するため、不動のジャンク品を購入して文字盤の交換を試みていた。

不動品の様子を観察すると明らかにヒゲゼンマイが傷んでいる。おそらく電池交換の際に誤ってこれに触れてしまったか、歩度調整を行おうとして失敗したようだ。7804シリーズのムーブメントは7803Aだが、初期の7801Aの部品取りムーブメントがあったので、試しにテンプだけを交換してみた。

実際には、緑色のコイル部分も分解してテンプ交換を行うわけだが、テンプユニットだけが金ぴかになり、無事に駆動し始めた。タイムグラファーでチェックを行うと、日差+5秒で振り角も問題なく元気だ。ケースを表裏置き替えて再び計測しても、姿勢差は5秒程度でかなり安定しているので、このままムーブメントごと文字盤を入れ替えることにした。

本来は、シルバーの7803Aテンプユニットで入れ替えるのが筋だが、こちらはムーブメント自体が健全な状態なのでこのまま予備として保管しておく。入れ替えた文字盤は無反射の「生成り」に近いシチズンホワイトで目に優しい筆者の好みだ。

26116_ この文字盤には、濃い茶系の革ベルトが似合うと常々思っている。それにしても、予備として保管するムーブメントの文字盤縁の痛みは、どう考えても納得できないところがある。確かにケースの縁に文字盤の周囲が直接押さえつけられるので、多少のスレキズはしかたがないと思うが、ほぼ全周にわたり0.5mmくらいの幅でシルバー塗装が変色していた。この0.5mmという幅が微妙で、風防ガラス側から見えるか見えないかの境目のような状態だ。

もしかして、風防ガラス側から湿気が入る事故があったのかもしれないなどと想像すると、今回の一件でムーブメントごと交換したのはそれはそれで正解だったかもしれない。まあ自身の持ち物なので、年代の違うパーツが組み合わさっていても一向に差し支えないというところだ。

2026.09.22
★ 修理後のけなげさが愛おしい
初代型番の「7801Aテンプユニット」を「7803Aコイル」で駆動させてここ数日は退院後の様子見をしているわけだが、その割りには精度が安定している。実生活で日差+10秒以内は自動巻を含めた機械式ムーブメントの中で最高クラスだ。

26119_そんなわけで、クリスタルガラスの透明感がわずかに劣化している表面を鏡面に、斜めエッジも元よりの加工精度を修正してこれも鏡面仕上げに一手間をかけてみた。いつもは風防ガラスは交換を前提に整備しているが、本製品に関しては比較的程度が良かったので、そのオリジナル性を尊重した次第だ。

★ シチズン用の風防ガラスは比較的安価
セイコー用のハードレックスガラスに比べるとシチズン製のクリスタルガラスは半値以下で入手でき、50年前の定価の2倍から3倍程度なので十分納得できる。ところが、セイコー用の場合には、当時の定価はシチズン用と同等なのに、現在の実勢販売価格は5倍近くするものもある。

今回手入れした「CITIZEN COSMOTRON」はオリジナルの風防ガラスが比較的程度が良かったので何ら問題はなかったが、今後の整備でセイコー用の風防ガラスで、特に自動巻用の「カットガラス」は気軽に交換できないので、キズを付けないように注意して持ち続ける必要がある。

★ カットガラスの「SEIKO LORDMATIC Special」の革バンド
「LORDMATIC」のラグ幅は内挿式で17mmなので、純正のSSバンドは19mm-17mmの段付になっている。このことはもう一本の[SEIKO ELNIX SG]と共通することでこちらは20mm-18mmの段付だ。

26120_17mm ところが、革バンドを装着する際の「SEIKO」の場合には17mm幅のものを使用すると、ケースに対してバンドが異常にか細く不釣り合いになる。だからと言って、19mmのバンドの端部を片側1mmカット加工して装着すると、カット断面の1mm部分の強度が十分でなく、どうしても型崩れをおこしてしまう。

このことは古い革バンドで試してみての結果だが、今回は思い切って新品革バンドの20mm-17mmのカット加工で再挑戦してみたところ、片側1.5mmであれば前述の問題点がかなり改善されたように思われるので当分はこのバンドを使用してみる。

ヴィンテージもののラグ幅は大抵が18mmか19mmなのだが、筆者のように腕周りが19cmくらいになってくると、バンド幅も20mm程度の方が見た目のバランスが良いこともわかった。

★ SEIKO と CITIZEN のカットガラスの違い
SEIKO製の9面カットと「CITIZEN製の5面カットガラス」だが、ガラスの透過度および表面の反射密度も同じなのだが、見た目が微妙に異なる。SEIKO製は文字盤の視認性をできるだけ確保したカット面数で、CITIZEN製はカットの輝きを強調したカット面数になっていることがわかった。

文字盤の色違いによる内部からの反射光の影響の違いもあるが、当初はSEIKO製の輝きが劣るような錯覚をしていて、何度もガラス表面の劣化の有無を確認しながら汚れ落としの磨きを重ねて、最後には風防ガラスをもう一度外して確認を行ったところ、前述のように透明度および反射密度に差はほとんどなかった。そしてわかったのが、両者の輝きの違いはカット面数による面の傾斜角の違いが原因のようだ。

実のところ、交換用のSEIKO製の風防ガラスを注文したときには、商品画像でフラットタイプだと思っていたら、実際に到着したのは9面カットガラスだったことからも、包装越しだと9面カットであることがほとんどわからない。当然ながら、CITIZEN製の5面カットガラス越しの文字盤はどこかが必ず屈折破断した状態に映る。これがかえってカット面の美しさに変換されているようか気がする。

★ 自動巻き上げ機付属の腕時計枕を追加購入
今年の7月に購入した「4本自動巻き上げ機」だが、レディースの大きさ違いの「枕」を数個探していたら、5個組でオリジナルによく似た質感のものを見つけた。

例によって西の大陸からの直送便で2週間程度かかりそうだが、汎用品とはいえメーカー品と全く同じものだったので驚いている。結局のところ、出所は同じということか。これまでスポンジを加工して使用していたが、さすがにこれを手作りするのは無理なので、こころよく海外製品を受け入れることにした。

26118_ ところで、本体の自動巻き上げ機だが、1ヶ月目で若干の異音が気になったので、両側のギアボックスを分解して、少し乱暴だがリチウムイオングリスを充填して組み直したら、それ以降は静かに機嫌よく駆動している。メンズ2本とレディース2本の合計4本の自動巻稼働状態も問題ないので、今回のこの製品による自動巻の相性は合致している気がする。

★ 自動巻き腕時計の手巻きの是非
手持ちの自動巻き腕時計の何本かは手巻き併用形で、たまに手巻きをすることもある。しかし、時計整備士の方のお話では手巻きはあまり使用しない方が良いらしい。

ゼンマイの動力は香箱から歯車を何段も介して自動巻の切り替え車に伝達されているわけだが、ローター回転の微少動力に割り込んで、手巻きの強烈なトルクの歯車が介入してくると、この手巻き歯車がスムーズであれば問題ないが、ミクロン単位で歯車のかみ合わせにズレが生じると、この付近の歯車が簡単に破損するらしい。

従って、機械的故障リスクを回避するためにも、自動巻きは手巻きを併用しない方が無難という結論になるので、今後はこれを徹底しようと思う。

・・・つづく(もどる)

2026年9月 8日 (火)

念願の「ハンディ検針器」を入手

07__20260907135801 26111_ アパレル関連の品質管理用器具で、縫製時のミシン針の折れ先が製品に残留していないことを確認するために用いる。または、和裁のまち針の残留がないことをチェックする器具だが、前者の場合には現在では大規模な検針装置で行うのが一般的になっている。

従って、この種のハンディタイプのものは、小数ロットの検針に用いられるものと推測する。そう考えると決して需要が伸びるような商品ではないうえに高価だ。ところで話は少しずれるが、筆者は針に極めて強い恐怖を抱くトラウマのようなものがある。

記憶に残る幼い頃にシャツの類いのものを母の縫製で着せられたことがよくあった。いいかげんな性格のためか、仮縫いの段階ではしつけ糸を使わずにまち針を多用して試着できる状態のものを、そっと着せられるのがとてもいやだった。

絶対にどこかでチクリと針が肌を刺す感触があるので、本人にしてみれば地獄のような苦痛だったが、その分だけ一着を仕上げるのが想像以上に早かった。しかもワイシャツ風の襟を含めてミシンと手縫いの使い分けもなかなかのものだった気がする。

それが原因かどうかは定かではないが、70歳を過ぎたいまでも採血時の注射針による痛みには心拍数が跳ね上がるし、赤い血を見ると気分が悪くなり横になったことも何度かある。そんなわけで、日常生活空間で特に床に何か鋭利なものが落ちているかもしれないと思うと、人一倍気になる性分だ。

「サンコウ電子研究所」の本製品は20年以上前に発売された現行販売品であるが、価格も改定されていないのでなかなか手を出すことができなかった。[ミシン工房]では製品の本来の使用目的のとおり、ミシン針の折れ先とまち針の検針だが、前者はほぼ皆無で、後者は最近ではクリップに置き換わっているので、その必要に迫られて購入したわけではない。むしろ、手縫い時に時折見失う縫い針を床のカーペット上で見つけるのに便利な程度だ。

今回、入手のきっかけになったのは、[日曜工房]で「顕微鏡整備」や「時計整備」の時のマイクロネジや金属パーツを床カーペットに落とした場合や、マイクロドリルの切削金属片を見つけるのに重宝するだろうという思惑から長らくこの製品を気に止めていたわけだが、ようやく手頃な価格で入手できた。

興味深いのは、本製品の「類似品」が数種類販売されているようで、価格が1/5~1/8程度と魅力的だがその性能はブラックボックスなので、ここはやはりこの国産品が安全かと考えた次第だ。

2026.09.09
★ 大量検針の現場でも使用しているらしい
到着した商品の説明書を読むと、ベルトコンベアーでの大量検針のあと、検出位置を特定するために改めてこの機器を使用すると、異物の除去作業の効率が上がるらしい。ということで、業務用としての需要が減少しているとも言えないことから、新モデルも価格も変更がないのはそれだけ信頼性が高いということかも。

単三電池×2本の電源なので、電池切れの点検を忘れないようにしなければならない。それと、コテ状の接触面は常時強力な磁気を帯びているので、そのことを考慮した収納場所を考えておく必要がある。

・・・つづく(もどる)

2026年8月24日 (月)

一枚革時計バンド

07__20260824110601 26103_ 本革時計バンドと言っても、ほとんどの製品は表皮だけが本革でいわゆる詰め物を巻き込むような状態で縫製仕上げしているものがほとんどだ。この時計バンドはいわゆる牛革一枚もので、もっとも本革らしい仕立ての製品になる。

その見栄えから一般的にはカジュアル時計用としてはっきり言ってビジネス腕時計には無縁のものだ。

ところが、手持ちの腕時計の中で、一つだけダイバー仕様のベゼル付「CASIO ムーンフェイズ」が一般のビジネス仕様の革バンドが不似合いで気になっていたので、思い切ってこれに交換してみることにした。

もとの革バンドは無論のこと他の19mm幅のものの予備として保管しておくが、このような場合に便利なのが以前の記事でもふれた「クイックリリースタイプ」のバネ棒だ。

バンドの長さが気になるところだが、おそらく上下を反対に取り付ける必要がありそうに思うが、その際にはこのタイプのバックルは毎回の操作が面倒な気がするので、汎用のDバックルを取付けたいものだが、剣先幅がけっこうありそうなのでそれも難しいように思う。

2026.08.31
★ Dバックルに交換成功
バンドの幅は問題なさそうだが、厚みが心配だったDバックルへの交換だが、すんなりと装着できて仕上がりも違和感がない。製品を細かく観察すると、一枚革ではなく2枚を貼り合わせているようで、止め部の加工を考えればそれが合理的だと納得できる。コバ仕上げも丁寧なので製品全体のクオリティは価格の割りには高いと思う。

26106_2 アクセントの止め糸の耐久性に心配があるものの、時計のベゼルデザインとの釣り合いも良く、使い込むほどに色が濃くなる、経年劣化が風合いに変わるタイプの革仕上げも気に入っている。

時計そのものはカシオ製でダイバー仕様を満足しているが、これを装着して潜るユーザーはいないと思う、いわゆるダイバーファッションの一般のものよりは生活防水性能の良いムーンフェーズと思っている。

最近気付いたのだが金色・銀色のコンビネーションで、ダイヤルや針の金色のものは、それぞれが腐食せずいつまでも美しいのは良いと思う。磁器の文字盤があるように、普遍的素材を風防ガラスの内側に封じ込める理由がわかる。

・・・つづく(もどる)

2026年8月16日 (日)

Dバックル時計バンドの話

07__20260816111001 筆者がDバックル式の時計バンドに交換し始めたのは数年前からで、それまで革バンドは決まって昔からの穴通しの美カン式に決まったものだ。ところが、この美カン式はベルトの長さそのものをコマ単位で調整できるSSバンドとは違って、締め付け具合で長さ調整で行うため、バックル位置を整えることができない。

腕周り19cmで前述の美カン留めやDバックルで腕時計を装着した場合、上下のベルトの交差具合は画像の「右」のようになる。つまり、バンドが二重になっている部分が腕時計を見る際の手首の下(奥)の側に引っかかり、文字盤を手前に寄せることがしづらい状態を強いられていた。

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そこで、これを解消するために割高なロングサイズの革バンドを購入するのが常であったわけだが、これの種類が極めて少なくメーカーも国内2社程度に限定される不自由が何十年も続いていたわけだ。そこで、苦肉の策としてバンドの上下を反対に取付て使用することもあったが、美カンにバンド端を通すのが極めてやりづらく落下の危険でもあったので、これもまともな解決策には至らなかった。

そして近年に登場したDバックル方式だが、汎用品が氾濫しだした数年前からは、バンドの上下反対装着でも落下の危険は皆無だし、装着の手間もほとんど正方向と変わらない便利さに気付き、現在は革バンドのすべてがDバックル式で、取付上下を反対にして画像の左のようにになっている次第だ。なお、[G-Shock],[ice Watch]も美カンバンド仕様はすべてDバックルに交換している。

2026.08.21
★ 調整機能付き折りたたみバックル
26102_ 1976年製のシチズンクォーツのオリジナル純正バンドのバックルだが、当時としては一般的な折りたたみ式SSベルトの長さ調整が、コマ外しではなく引っかけバックル式のフリー調整式なのがめずらしい。筆者の腕周りだとほぼ延びきった位置で留めることになるが、留めれば目立たないバックルでデザイン性および機能性に優れている。

このSSベルトは今でもたれが1mm以下でその組立精度のすばらしさには驚く。しかも総重量がW=56.1gなのはクォーツ式ゆえのメリットだろう。「サファイヤガラス風防と飾り文字盤」の組み合わせはお気に入りの一つだ。

・・・つづく(もどる)

2026年8月13日 (木)

クイックリリース時計バンド

07__20260813174601 26099_ 手持ちの時計バンドで「クイックリリース」仕様の革バンドは2つある。一つは18cmのSEIKO純正品で、もう一つは安価な19cmの汎用品だがいずれもDバックルタイプでそれぞれ気に入っている。

しかし、これらのクイックリリース機構を頻繁に使用することはなく、ほぼ付けっぱなしなのであまり意味がない。というか、クイックリリースをそれほど便利だとは思っていなかった。

時計の革バンドサイズは圧倒的に18cmが多数を占めているが、それぞれを付け替えることはまずないのは、バネ棒を縮める際にどうしても革バンド穴の端部を痛めるリスクが伴うからだ。ところが、このクイックリリースタイプの場合、一瞬で取り外しと取付ができることを考えると、バンド交換でイメージを一新できることを今さらながら知った。

ということで、予備として18cmのクイックリリース革バンドを2色注文しておいたので、季節の気分で交換して楽しもうという次第だ。やや贅沢な気もするが、昔のように時計バンドは時計店の「SEIKO」か「BANBI」や「MARUMAN」しかなかった時代のことを考えれば、3本買ってもおつりがくる時代なので、ここは海外製品の恩恵を受けることにする。

★ リング調整器
26100_ 細君のシルバーリングが少し変形してきたのでどうしたものかと思っていたら、宝石店にあるような工具のコピー品が安価で販売されていた。早々に取り寄せて付属の樹脂ハンマーで気長に叩くとほぼ元通りに修正できた。サイズ計測棒と計測リングも付属していたので、何かと役に立ちそうだ。

樹脂ハンマーはプラスチック風と硬質ゴム風の堅さ別になっており、ヘッドはスチールで柄はSUS製だ。修正棒はSUS製で計測棒はアルミ製、計測リングはSUS製になっている。普通に使用する分には一生もちそうだ。

2026.08.15
★ 細君の指輪号数の修正加工を宝石店に相談してみる
今回のシルバーリングの形状修正に付随して、これまで身につけていた数々の指輪の話になって、驚いたことにすべての指輪が眺めるだけで薬指に入らないとのことだ。

指輪のリング部の素材はすべてプラチナなのだが、数十年前にその中の一つを宝石店でサイズアップしてもらった記憶があったので、今回は全部まとめてサイズ修正をお盆休み明けにデパートで相談してみようかと思う。

おそらく10個近くあるはずだが、中には縦爪で定番スタイルのダイヤの婚約指輪もあるので、お店はおそらく仕立て直しを薦めてくるだろうと思う。そのようなオプションの有無を含めてどのような見積り結果になるかが心配だ。

・・・つづく(もどる)

2026年7月20日 (月)

CITIZEN クリスタルガラス風防の交換

07__20260720083501 26090_ CITIZEN製腕時計のクリスタルガラス風防だが、微かな傷のある個体が2本ほどある。普段はほとんど気付かないが、何かの反射の具合でどうも気になるので、サイズ違いで同じデザイン(曲率)のものを2枚新たに追加購入した。

1つはCITIZEN純正品で、もう1つは社外製だが、おそらくこの社外製品がおおもとの風防ガラスメーカーらしい。社外製の方はパッキンも標準付属で、このあたりは純正品よりサービスが優れている。無論のこと、色味・反射・透過・スペクトル分解等の性能および価格も同じなので、型番適合が明確な場合は社外製の方がお得感ある。

これで手持ちのCITIZEN製腕時計のクリスタルガラス風防はすべて新品になったわけだが、SEIKO製と違ってガラスエッジの仕上げが大胆なのでその分だけ傷が目立ちやすいが、新品だとその美しさがひときわ派手やかだ。このあたりは往年の「クリスタルセブン」の面影が残っているのが懐かしい。

・・・つづく(もどる)

2026年6月 9日 (火)

ハーフペーパーケース

07__20260609083201 26069_ 仕事場にテッシュボックスは相当以前からない。カメラや顕微鏡の手入れをする際に使用するペーパーは「キムワイプ」に決まっているのと、溶剤などの液体吸収用ペーパーは「超吸収キッチンペーパー」を用いている。ところが後者のペーパーはキッチン用なので、いつも2枚に剥がして2つ折りで、つまりハーフで使用していた。

そこで見つけたのがハーフペーパーケースだ。キッチンペーパーのひと束を2つ切りにすれば2倍の深さでうまく納まる。若干引き出しにくいが、2枚剥がしの手間に比べれば何ら問題ない。フルサイズのペーパーケースと同じメーカーの製品なので品質的には信頼できる。

折り重なったキッチンペーパーをそのままバッサリと2分割にする方法は、今のところ良く研いだ台所用の包丁で対応しているが、製本用裁断機や和紙裁断用の丸包丁があれば効率よく切断できそうにも思う。

・・・つづく(もどる)

2026年6月 4日 (木)

CITIZEN LEOPARD 4-770153 Y(28,800bhp)

07__20260603224401 26062_citizen-leopard 1970年代から80年代のビンテージもの腕時計は、風防ガラスが交換されているか交換することを前提にして、それが市場で入手出来るかどうかを含めて本体の時計購入を決断することにしている。

ところが、今回の場合は交換されていないがほぼ無傷で、しかもケース・バンドもほとんどキズが見当たらない、いわゆる使用感のない「展示在庫品」のような商品を購入してみた。もっとも、筆者の単なる思い込みかもしれないのは、商品説明にはそのようなことが一切記載されていないからだ。

百歩譲って金融保管品の出物(質草)ということで、詳しい説明がなかったのかもしれないが、それならば現状で稼働しているのも妙な話だ。まあ、すべては商品が届いてベルト弓カン部のケースのスレを確認したり、裏蓋を開けてパッキン外側や電池を確認すれば判明することなので、来週にはその結果を報告できると思う。

★ CITIZEN LEOPARD の購入動機
もとより、自動巻ハイビートの28,800bhp の製品は、手元で[SEIKO LOADMATIC Special]が健在であるが、1970年代はレディース製品を含めて、28,800bhp製品の全盛期だった気がするのと、さらにそれらの頂点に君臨するのが「KING SEIKO」や「GRAND SEIKO」の36,000bhpシリーズだったと記憶する。

ところが、シチズン製においては「LEOPARD」シリーズの中に36,000bhpの製品ラインナップが揃えられていたものの、その後のハイビートもしくはスーパービートの評価としては、圧倒的にセイコー製の方がいわゆるブランド力を強固なものにしてしまった。そのブランド力こそが、今日のメーカー序列の優勢性を決定付けているわけだ。

そのように考えると、ハイビート製品で比較的コストパフォーマンスに優れるのは、28,800bhp製品ということかもしれないし、実際のところ機械パーツへの負荷を考慮すると、36,000bhp製品には想像以上の精度管理と適切はメンテナンスが必須とも思えるふしがある。そこで、1980年代からは36,000bhp市場はセイコー製の独壇場になったのかもしれない。

1970年代のシチズン製36,000bhp製品のもう一つの機種に、電磁テンプ式の「CITIZEN COSMOTRON」の後期版があるが、テンプの動きは36,000bhpだが秒針の運針は18,000bhpに間引きされていることと、その対抗馬である「SEIKO ELNIX」は28,800bhpであったことを考え合わせると、どうも36,000bhpの秒針運針は、それなりの耐久性面でのリスクを帯びていた可能性がある。

世界の名だたる36,000bhp高級自動巻腕時計を追い求めるのは筆者の望むところではないでの、ビンテージものの哀愁とコストパフォーマンスを考慮した場合、どうしても手元に置いておきたかったもう一つが、[CITIZEN 28800 LEOPARD ]というわけだ。ちなみに、本製品はシリアル番号から推察すると1971年製と思われるが、その翌年の[COSMOTRON 7800]と風防ガラスが酷似している。

2026.06.08
★ 商品到着後の事実に驚愕
1971年製の製造から55年が経過したヴィンテージ時計の本物には違いない。しかし、稼働品だが「不良品」だった。まあ、これを稼働品という説明で販売することの是非にも多少の疑問はあるが、ある意味で納得できる結果だと心を落ち着かせている。

 ・巻真を引いての時刻合わせが出来ない(空回りする)
 ・自動巻は正常、手巻きは機能そのものの有無が不明
 ・駆動精度は正常
 ・カレンダーのプッシュ切り替え操作も正常
 ・完全な未使用品で、ベルト弓カン部の金属スレがまったくない
 ・裏蓋、ケース、ベゼル、風防ガラスのすべての外装が無傷
 ・バンドはフルコマで20cm
 ・裏蓋が完全に閉められておらず、内部ムーブメントおよびパッキンに汚れ・埃がまったくない

この時代に初期不良品はないと思うので、カレンダー合わせの操作を誤って、長針歯車に関連する箇所が欠けているか欠損しているような気がする。時計店がそのことを確認して、裏蓋をわざと完全に閉めないまま保管されていた製品というのが真相のようだ。初期不良であればメーカーへ返却されているはずで、おそらく販売したお客さんの誤操作で戻ってきたのかとも思ったが、顕微鏡で見てもバンド金具のスレがないことから、50年前の展示期間中の事故品という可能性が高い。さてどうするか。

★ 程度の良いムーブメントを探す
巻真付近の歯車交換で直ると思うが、筆者がその技量を身につける頃までこの個体は保管しておくとして、程度の良い LEOPARD 7700シリーズのムーブメントを探してくれば、この新品のケース・風防ガラスに格納できる。できるだけ稼働年月の少なそうなムーブメントを入手したいものだ。その見極めは、ケースのスレが少なく打痕が多く、風防ガラスのキズが多い出物を探せば良い。いわゆる腕時計の扱いが下手なユーザーが、飽きて放置していたような、極めて手入れの悪いものを探すのが良い。文字盤と鍍金ロゴおよび針の反射程度に問題がなければ稼働年月が浅い。

★ シルバー文字盤のムーブメントに交換
26067a_citizen-leopard前述のようなコストパフォーマンスに優れる代わりのムーブメントを探してきた。おそらく、工場出荷から一度も裏蓋が開けられていないと思われる、これまでの経験で最も硬い裏蓋を無事に開けることができた。

当然ながらムーブメントも文字盤も実にきれいだ。取り出した文字盤を実体顕微鏡でさらに塵や汚れの有無を確認して、今回は文字盤および針ごと入れ替えることにした。文字盤の焼けがほとんど感じられないのが稼働年月の少なさを示している。

ムーブメントの入れ替えは一瞬で終了したが、再駆動してからの稼働日数がまだ浅いので、この先で何か不都合の有無を確認する必要がある。従って歩度調整は試運転が終わってから行うことにする。秒針の動きは[SEIKO LOADMATIC Sprcial]の28,800bhpとまったく同じだが、文字盤の雰囲気は[SEIKO 5 ACTUS]に酷似している。

見た目だけの秒針の動きが28,800bhpの腕時計は、[SEIKO ELNIX]を含めて3本と、細君の自動巻が2本の合計5本になる。クォーツ式を除く機械式・電磁式の11本のうち、5本がこのハイビートという勘定になる。そして10本が歩度調整が可能なテンプを備えている。

この時期のフェイスデザインは「SEIKO」と「CITIZEN」は競うように同じ雰囲気を意識しているのが興味深い。まったく別路線のデザインで独占的に販売するというより、同じ雰囲気で顧客数を分かち合うというようにみえてくる。おそらく、わずかな価格差でシェアーを2分していたのだろう。

26068_casio-moon ちなみに、キャメル色の革バンドは最近買い置きしていたものだが、2015年、いまから11年前に履きつぶした「革製ブーツ」の色を思い出して、すでにもう一本の[CASIO MOON PHASE]も交換している。

時計バンドではあまり一般的ではないカラーなので品数は少ないが、決して高価ではないのが救いだ。キャメル=らくだ色と翻訳すると、どうしても「らくだ色の股引」を思い出すのが筆者の年代だが、実際にはこのブーツや時計バンドよりももっと薄い色合いのようだが、一般には「キャメル」で通じるようだ。

2026.06.18
★ LEOPARD の予備機
程度のよい「LEOPARD」はこの先で品数は間違いなく少なくなる。特に、文字盤の劣化は手の施しようがないので、そのような個体は市場から姿を消すのが十分に予想できる。自動巻の場合には酷使せずに半分保管状態で維持すれば、思い出した時に振れば稼働するとは、馴染みの時計店の店主の話しだ。とは言え、メカニカル部品の経年劣化は間違いなく進行するわけで、いつものようにお気に入りは「予備」を備えたいところだ。

26077_original-citizen-leopard 同機種のムーブメントのみ健在であればそれだけを取り出して保管しておこうと思い、外見はかなり痛んでいるように見えるが、内部をいわゆるいじられていない、ただ古くて手入れの悪いだけの商品を見つけてきた。1973年製の「SNOW 文字盤」が気になってややリスクを伴うが価格で割り切って購入してみた。

手元に商品が届いて確認したところ、ムーブメントは問題なく初期の目的は達成できたものの、気になる文字盤は風防ガラスを外すと日焼けやシミもなく健全だったのは極めて幸運だった。どうも文字盤が色あせたように見える原因は風防ガラスにあったようで、ガラスそのものの劣化と接着剤の変質のようだった。

風防ガラスが接着タイプなのはレディースでまれに見かけるが、メンズでこの年式でははじめてでなお若干の疑問も残る。時計店の判断でパッキンなしの風防ガラスを装着した可能性もある。ガラス径はφ29.45mmで、どちらかというとSEIKO製のガラス寸法にはこのサイズがよくある。新品時の風防ガラス仕様がわからないので、正規品がみつかるまで、この寸法の手持ちSEIKO製在庫品でまかなうことにした。

今回使用する接着剤は、経年劣化せず透明感の優れるジュエリー用接着剤の「B7000」で、硬化しても硬質ゴムのような弾力がありきれいに剥がすことができるので、パッキン代わりとして最適だと思う。ちなみに裏蓋とベゼルにはパッキンが装着されている。

バンドは販売者が好意的に新品を付けてくれていたが、これは取り置きして最近気に入っているキャメルのDバックル仕様に交換する。ケースや裏蓋およびベゼルに打痕はなく比較的丁寧に使用されていたか、風防ガラスの接着剤の変質でみすぼらしくなって放置されれいたのだと思う。

26076_sub-citizen-leopard 風防ガラスを交換すると、「SNOW 文字盤」の乱反射のせいか、光の透過性能が良くなったように映る。この文字盤デザイン手法はSEIKO製の文字盤によくあるが、CITIZEN製では比較的めずらしい。

風防ガラスの交換に際して、文字盤に目立つ汚れは見当たらなかったが、念のために「純水」で丁寧に拭き掃除を行っている。ムーブメントの交換品はこの先も入手が可能だが、このような文字盤は大切にしておこうと思う。

2026.06.22
★ そろそろ歩度調整をしてみる
LEOPARDの自動巻機構も問題ないようなので、最終歩度調整をしてみようかと思いタイムグラファーを準備してみた。ところがビートエラーがどうしても収束せず何かがおかしい。数十分の試行錯誤の結果、緩急針とヒゲ持ちの上下が逆なのがわかった。

これは想像だが緩急針の微動ネジがあるタイプなのだが、これを使用せずにオーソドックスで面倒な直接操作を行ったことで、この上下の逆に気が付かなかった。結果として満足できる精度まで追い込むことができて一安心だが、一時はどうなることかとやきもきしていた。

  タイムグラファー表示: +6s/d 251° 0.4ms 28800

この年式にしては振れ角が元気で、この先もまだまだ大丈夫だと思う。このようにムーブメントの反応を確認すると、まるで生き物を手なずけたような感動があるのが不思議だ。

★ 腕時計の整備用工具の準備費用
バンドや電池の交換程度であればおまけの工具で対応も可能で、これと言って整備用工具の準備費用はかからない。しかし、風防ガラスの交換やムーブメント入れ替えおよび文字盤交換までの整備になると、特に機械式の場合には最終チェックのためにどうしても「タイムグラファー」が必須になる。

歩度調整だけを行ってくれる馴染みの街の時計屋さんがあれば別だが、大抵の時計店は歩度調整だけの整備は一般的には受け付けてくれない。即ち、ムーブメントの分解・交換整備を行った最終確認作業として、タイムグラファーでのチェックと歩度調整がセットになっているようだ。確かにムーブメントが不全な状態で歩度調整だけを行っても意味がないのもわかるが、昔は健全性の確認くらいのチェックは販売店で気軽に行ってくれたものだ。

一方で、タイムグラファーを購入するとなれば、最低でも2~3万円程度の費用が必要なのと、これでムーブメントの不全が確認されてもそれだけのことで、調整のノウハウはそれなりの経験が必要であることを考え合わせると、あれば便利な整備用工具とは言えない。

ただし、歩度測定器は、1960年以前では街の時計店では購入できない高価なもので、1970年代になってようやく国産普及品が出回ったらしい。現在市販されている機械式ムーブメントのタイムグラファーは、おそらく20年前ころから出始めた海外製品で、いわゆる国内の測定機器メーカーの商品ではないが、実質的には何ら問題がないので、現在ではこのシリーズは一流時計店でも併用しているらしい。

では、1960年以前の街の時計店はどのようにして歩度調整を行っていたのかを、我が街の時計店の主人との雑談でおしえてもらったことがある。まず駆動不全はテンプ根元のガンギ歯車の「弾き音」の「音色」のばらつきで、ビートエラーは先の音色ばらつきとテンプの回転運動の凝視で、緩急調整はひたすら放置後の秒針位置でそれぞれ確認していたとのこと。

従って、これらの作業を収束させるには4~5日から1週間ほど何度も確認して、のんびりとした仕事だったらしい。それがいわゆる時計技能士試験制度が整った1960年代以降では、測定器の普及で十分以内に歩度調整作業を完了させる技術が必須になったらしい。

2026.07.06
★ 4本自動巻き上げ機
26083_ デイデイト自動巻腕時計は自動巻き上げ機にセットしておくと思い立った時に装着しやすい。現在使用している「自動巻き上げ機」は数十年前の絶版製品だが、造りが良いのと過度な巻き上げを行わない設定が4種類用意されているもので、ひとえに自動巻腕時計に優しいところが気に入っている。

回転軸の「ホルダー」を取り替えることで、1台で1本巻から3本巻まで対応しているが、実際には3本巻はモーターへの負荷が大きく動きに無理がある。さらに、2本フォルダーの片方が空の場合にはバランスが悪く、「ダミーの重り」を装着する配慮が必要だ。

それでもこの製品を2台並べて常時最大4本を巻き上げられる環境で自動巻腕時計のご機嫌伺いを行っている状態だ。

現状は細君の自動巻2本を含めて、休止状態のムーブメントがあと4本あるので、これらをまとめて収納できるケースを物色していたところ、偶然に掘り出し物を見つけた。

巻き上げ能力が現在のものより大きいので、たまには電源を落とす必要もありそうだが、自動巻腕時計のすべてをこのケースに収納できて嵩張らないのが良い。さて、実際の性能・機能はどうか、今週中には製品が届くと思う。

・・・つづく(もどる)

2026年5月26日 (火)

究極のスィープ運針:CITIZEN HISONIC(音叉時計)

07__20260525124901 26060_citizen-hisonic 1973年製の後期の製品になるが、[CITIZEN COSMOTORON]と並んでクォーツ式駆動時代への中継機種の中では、最も発売期間が短かったのがこの[CITIZEN HISONIC(音叉時計)]らしい。音叉式なので、まるで耳元で蚊が飛んでいるように「プ~ン」と鳴っている。

精度は日差5秒前後と電磁テンプ式と同程度なので、耐久性は別として高級機械式(8振動・10振動)と肩を並べるものと判断できる。そして、こちらも電池交換は約1年ということで、この消費電力の問題と生産原価の高さから、後のクォーツ式へと姿を変える運命にあった。

これらのクォーツ式駆動前の過渡期のムーブメントの締めくくりとして、真のスィープ運針(連続運針)の製品を見つけてきた。といっても電池交換、風防ガラス交換、ケースのスレ修正等の一手間を[日曜工房]を経て本日がその数週間後のレビューになる。

時計デザインそのものは、当時のシチズン製自動巻時計のオーソドックスなケースとレオパール等の風防ガラスの流用のようだが、唯一文字盤が生成り色のやや濃いベージュ掛かった仕上げが特徴的で、これのおかげで日焼けの劣化が現れない。

実際のところ秒針の動きの違いを除けば、[COSMOTORON]とこの[HISONIC]は非常によく似ている。風防ガラスとインデックスのデザインがほぼ同じなので、型番の違いほどの差しか感じ取れない。そして、HISONICステンレスバンドがフルコマで装着されていたのがありがたい。

クォーツ式掛け時計に見られる連続運針と同じような秒針の動きを見せるこの製品は、いかにも電気的と揶揄する意見もあるが、「時」とは刻むものではなく連続的に経過するという自然の摂理とは相性がよいと見るのが筆者の考え方だ。実際、グランドセイコーの最新ムーブメントである「スプリングドライブ」の動きだけを見るとそれは音叉時計と酷似している。

そして、4時位置のリューズタイプにしては標準サイズの大きさのリューズが出っ張っているそのスタイルの意味を考えてみた。電磁テンプ式やこの音叉式の電力消費が大きいことへの対策として、リューズを1段引くことでクォーツ式と違ってこれらの機種は電気的に駆動を停止させることができる。

当然ながらふたたび再駆動させたあとは時刻合わせが必須になるわけで、その際のリューズの操作性を考えると、この標準サイズは納得できるのと、時刻合わせの手間が省けるノンカレンダーの本製品が気に入った次第だ。おそらくノンカレンダー機種はかなり希少(貴重)だと思っている。

ところで、この種の内蔵電池の駆動期間は概ね1年間ほどだが、「COSMOTRON」の内蔵電池は「SR44SW(φ11.6mm×高さ5.4mm)」で、「ELNIX」の方は「SR43SW(φ11.6mm×高4.2mm」、「HISONIC」は「SR626SW(φ6.8mm×高2.6mm)とかなり小さい。やはり物理的にテンプを駆動させるエネルギーが消費電力を決定付けているようだ。

・・・つづく(もどる)

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